瞑想

瞑想を深めていく【瞑想とは? / 瞑想の姿勢について / 瞑想を深めていくポイント / 瞑想の効果】

お知らせ

はじめに 

20代の頃、体も心も虚弱であった私は、その時々で自分に必要と感じた健康法を実践してきました。その中心にはいつも瞑想があり、今も毎日続けている健康法であり、趣味(ライフワーク)です。
まだまだ未熟な瞑想者ではありますが、瞑想を10年継続して気づき、感じている瞑想を深めていくポイントを私なりにまとめてみました。ご興味のある方はぜひ読んでみて下さい。

瞑想(の状態)とは?

まず、瞑想とは何か?ということについて少し触れておきたいと思います。マインドフルネスという言葉が流行ったこともあって、瞑想は「瞑想をする」という行為と思われているところがありますが、本来の瞑想の意味は「瞑想の状態」のことを指しています。では瞑想の状態とは何か?これを言葉で表現することは少し難しいように感じます。瞑想は感覚として得られる体感であり、深さと広さがあるように思うからです。

例えば「気持ちよい」「リラックス」という身体的な感覚から、「無心」「意識と無意識の狭間」「普段は感じることのない感覚」「何かのビジョン」など深い意識の領域まで様々な感覚があります。そして毎回同じ体感が得られるわけでもなく、瞑想をするその度に違った瞑想の状態がおこります。

瞑想の状態は自然と起こる

瞑想の状態は、起こすというよりも、自然と起こるものと捉えた方が瞑想しやすいと思っています。瞑想の状態に入るための方法が瞑想法であって、人種や持っている宗教観によって瞑想に入りやすい道筋が違うからこそ、世界中で様々な瞑想法が研究され作られてきたと考えられます。

呼吸を使った方法や意識を使った方法など瞑想法は数多にありますが、瞑想の状態に自然と入っていくことを目的にしている点では共通しているので、いくつかの瞑想法を試し自分に合う方法を見つけていくことは瞑想が上達していく近道です。

瞑想の姿勢について【瞑想は本来、座って行うものだが、、、】

瞑想の姿勢について、現代を生きるヨギであるシュリー・エム氏の著書にはこのように書かれています。

「身体を横たえた姿勢と座った姿勢では瞑想中のエネルギーの流れが異なるからです。ほとんどの動物の背骨は地面に対して水平である一方、人間の背骨は地面に垂直方向となっています。これが瞑想状態に深く関係している要素です。瞑想のためには座った姿勢が最も効果的です。」

オン・メディテーション

シュリー・エム氏が言っているように瞑想は本来、半跏趺坐(はんかふざ)や結跏趺坐(けっかふざ)のように座った姿勢で最も効果を発揮すると思われますが、私の経験上「腰が重い」「疲れる」「足がしんびれる」といった感覚が先行して、座った姿勢で瞑想状態を得ることは人によっては簡単な事ではないように思っています。座った姿勢で行う瞑想が難しいと感じている方は、まずは仰向けの姿勢での瞑想がお勧めです。仰向けの姿勢で瞑想の状態に入るという感覚を得て、それから座った姿勢へ変えていくと瞑想を深めていきやすいと思います。また壁や椅子の背もたれに寄り掛かった姿勢でも瞑想の状態に入ることは出来ます。その時点での自分にとって、瞑想の状態に入りやすい姿勢があるので、色々試してみると面白いと思います。

仰向け姿勢での瞑想をこのような方に勧めます

  • 座って行う瞑想が難しいと感じている方
  • 瞑想と一緒に休息を得たい方

仰向け姿勢での瞑想のすすめ

仰向け姿勢での瞑想は、ヨガでシャバーサナ(しかばねのポーズ)と呼びますが、私はハタヨガに明るくはないので、ここでは肥田式強健術(ひだしききょうけんじゅつ)の『自然体休養姿勢』という方法をご説明したいと思います。

https://sekiya-osteopathy.com/wp-content/uploads/pf-02-1450x900-1-300x300.png
関屋

肥田式強健術とは、肥田春充(ひだはるみつ)という方が明治の終わりに創始した心身鍛錬体系です。元々は体が弱く、二度も死の宣告を受けるほどの虚弱児だった肥田春充氏は、自らが考案した鍛錬法によって心身を変容させ、健康という枠にとどまらずに哲学、宗教、経済などの分野にも大きな影響を与えたと言われています。

自然体休養姿勢の方法

この方法は姿勢から体と心の力みを抜き、瞑想の状態に入っていくということをしていきます。また呼吸や意識を用いた瞑想法と組み合わせて行っても良いです。自然体休養姿勢は仰向けで寝ているような姿勢ですが、書籍には基本となるいくつかのポイントが挙げられています。(分かりやすくするために、書かれている表現を一部変更しています)

  • 衣服を緩め、枕を外して水平に仰向けになる。楽に呼吸する。
  • アゴを上げて、後頭部をひく。脊髄と気管が一直線になるように。
  • 両腕は、体から四十五度の角度に開いて置く。両肘は伸ばし、てのひらを上に向ける。
  • 両膝を伸ばし、踵の位置は肩幅よりやや広くなるように両脚を開く。
  • 全身のどの筋肉にも力を入れない。
  • 視線を床より45度の方向に向ける。眼光は見詰めず、無邪気に見ひらく。
    (目をつぶっても良い)


上記はあくまでも基本の姿勢で、腕や脚の開き具合を微調整しながら、可能な限りリラックスする姿勢、重力に体を任せられる姿勢をとります。(例えば、肘が少し曲がっている方が全身の力が抜けるならばそちらを優先します)重力に体を任せ、体の力みが抜けていくと、体の感覚がぼやけてきて瞑想の状態に入っていきます。

私個人の所感ですが、2番目の「アゴを上げて、後頭部をひく。脊髄と気管が一直線になるように」が自然体休養姿勢の肝だと思っています。瞑想の状態に入りやすい首の角度があり、その感覚が分かると一気に瞑想が進むと思います。

瞑想を深めていくポイント

瞑想を深めていくポイントを私なりにまとめてみました。

同じ条件で瞑想する

出来るかぎり同じ条件下で瞑想を行うことが、深い瞑想状態に入る一つの秘訣です。瞑想を日課にしているならば、同じ場所・同じ時間帯に瞑想する習慣をつくることを勧めます。また、瞑想中に音楽をかけるならば一定期間同じセットリストで曲を流すことで瞑想に入りやすくなります。(私は瞑想中には音楽は聞きませんが、瞑想前には毎回同じ曲を流すようにしています)また、瞑想着として瞑想をする服装を決めている瞑想の先生の話も聞いたことがあります。

身の周りの環境を整えておく

瞑想をする時、整理された圧迫感のない空間で行うことは良く言われています。瞑想にはある種の「ゆとり」のようなものが関わっていて、自分の周りの空間を大切にすることは必要だと考えています。
また瞑想中に、済ませていなかった仕事や家事が思い浮かび、頭から離れないことがあります。短時間で片づけられる用事に関しては、事前に済ませておくと瞑想に入りやすくなると思います。

淡々と瞑想する

上記にも書いた通り、瞑想の状態には様々な段階や深さがあり、瞑想をするその度に違った瞑想の状態が起こります。時に強いインパクトが残るような瞑想体験もありますが、反対に気持ちよさも何も得られていない、パッとしない瞑想のことも度々あります。その時に起きた瞑想の状態を疑わず、何も感じられなくとも焦らず、日々の瞑想を淡々と継続することが大切であると感じています。

短い時間でも瞑想する

長い時間、瞑想したから良いというわけではないと思っています。例えば1時間瞑想した時と、時間が取れなかったために10分しか瞑想できなかった時とを比べて、10分しか瞑想してない時の方が深い瞑想状態に入っていた。なんてことは良くあります。瞑想の状態には、様々な要因が関わっているからです。

もちろん、長い時間続けて瞑想をしたからこそ深い瞑想状態に入れる場合もありますが、昼に行った10分間の瞑想が、その晩の瞑想の状態を深いものにするということもあります。まとまった時間が取れず、たとえ5分や10分の短時間の瞑想しか出来なかったとしても蓄積することで瞑想の効果は大きくなっていきます。

ボディーワーク(運動)を取り入れる

私の個人的な体験ですが、瞑想だけを継続して続けていて、好転反応や揺り戻しが強く起きた時期がありました。調べてみると、それは偏差(からだ、こころ、霊性のバランスが崩れること)という状態で、瞑想をすることと一緒に体にも意識を向ける必要があることが分かりました。

ヨガでは瞑想とともにアーサナ(ポーズ)があるように、禅の世界でも座禅の最中に坐布を持って歩き回ることをするそうです。瞑想をしていいて、何か違和感があったり、私のように瞑想の反動が強くでてしまった時には、体に意識を向ける運動を取り入れることで解決することがあると思います。(簡単に行えるウォーキングやランニング、ストレッチなどの運動をまずは試してみる価値があります)

バランスのとれた食事と睡眠

瞑想するにもエネルギーを要します。個人的な体感として、瞑想するととてもお腹が減り、眠くなります。
実験的に十分に睡眠をとった場合と寝不足での瞑想を比較したことがありますが、明らかに十分に睡眠をとった場合の方が深く瞑想に入れます。

またエネルギーを摂るという意味で食事は大切な要素で、私が知る瞑想の大家の先生方は食事にとても気を配っていました。瞑想と食事のタイミングとしては、消化器官が活発に働いていると瞑想のために使うエネルギーが不足するために、食後よりも食前に瞑想することが勧められていますが、個人的には食後の方が瞑想しやすいので、個人差があると思っています。

任せきる

「任せきる」ということが重要ではないかと思っています。上記の仰向け姿勢での瞑想であれば、体に「任せきる」、重力に「任せきる」、感覚に「任せきる」、流れに「任せきる」、、、etc.
瞑想は、普段の自分がしている体や心のコントロールを超えていくことでもあるので、完全にゆだねることで効果が増すと思いますし、深い瞑想状態では自然とその状態になっています。

楽しく、気持ちよく、継続する

思い返してみると、瞑想の効果として自分の体や心が本質的に変化しているように感じ始めたのは、瞑想を日課にして3年ほどたった頃からでした。他の健康法と同じように、大きな効果を得るためには一朝一夕では難しく、長い目でみて取り組む必要があります。そのためには楽しく、気持ちよく行える瞑想の方法や自分なりの形を見つけることが大切だと思います。

時には違った環境で瞑想してみる

普段、家で瞑想しているなら、時には静かなカフェで、図書館で、近所の公園で瞑想してみると普段は感じない瞑想体験が起こることがあり、瞑想が深まっていくきっかけになる事があります。(ちなみにですが、私が最近効果を感じているのは銭湯での瞑想です)

瞑想会に参加することもお勧めです。あのパラマハンサ・ヨガナンダもグループでの瞑想の必要性に言及しています。今はオンラインでの瞑想会も増えていて、瞑想会への参加の敷居も低くなっているので、日頃一人で瞑想をしている方はぜひ、瞑想会にも参加してみて下さい。

瞑想と無心

無心でただ一つのことに集中することで瞑想状態に入る。これはグアム、タモン湾の水平線を眺めていて、瞬間的に瞑想の状態に入ったことで気付いたことです。瞑想技法で呼吸に集中する、マントラや意識に集中することと同じように、仕事中や家庭にも瞑想の状態に入る入口はあり、何かに無心で集中していると瞑想状態に入ることがあります。
私の仕事で言えば、施術中に瞑想の状態に入っていることが良くあります。日常の中で瞑想をする時間は限られていますが、自分にとっての瞑想に入るシュチュエーションが見つかると瞑想を深めていく一つの機転になると思います。

瞑想の効果について

瞑想は、心身に多くの影響を与えると言われています。

瞑想の効果の一例

心肺機能の向上、免疫力の向上、痛みの改善、睡眠の質の向上、ストレスや不安の軽減、集中力や記憶力の向上、精神的な平穏、感情の浮き沈みの軽減、プラス思考、他者への思いやり、などなど

ここでは私が10年間瞑想を継続してきて感じている瞑想をすることで得られた気付きや内面的な変化について、書き綴っていきたいと思います。

瞑想とは、自分自身を理解すること

現段階の私が感じていることですが、瞑想とは「自分自身を知り理解すること」だと思っています。
瞑想を通して、自分が内に持っていた静寂や平穏といったポジティブな面を感じることが出来た反面、目をつぶって見て見ぬふりをしてきた自分自身の醜い部分にも気付くことになりました。
人は、多面的で多くの矛盾を持っている存在だと思います。そのことを瞑想体験を通して理解することは、自己に対する肯定感だけでなく、他者に対して許容する幅を広げてくれているように思います。

幸せは自分の中にあることに気付く

幸せや幸福とは何か?どうやったら幸せになれるのか?ということを子供が生まれてからよく考えるようになりました。そして瞑想を通して「幸せは自分の外の世界ではなく、自分自身の内にあり、周りの環境や状況に関係なく感じることが出来る」ということを感覚的に理解することが出来ました。たとえお金がなくても、家族や恋人・友人との関係が上手くいっていなくても、他人から見たら辛い状況だったとしても、幸せは周りの状況に左右されずに、自分の内側から溢れ出てくる感覚です。
何をしていても嬉しくて楽しかった幼少の時の気持ちに近い感覚かもしれません。この気づきがあってから、時間の経過がゆっくり流れているように思います。

この記事を書いた施術者

 

関屋オステオパシー 代表 
関屋 淳 (sekiya jun)
【施術実績 (累計)】
理学療法士としてリハビリを1万人以上
オステオパシーの施術を2000人以上
2児の父として子育て奮闘中
案内動画はこちら

おすすめ記事一覧

オステオパシーの考え方

「オステパシーの考え方」
「オステオパシーの施術方法」
「症状別オステオパシーの記事」

健康観

「映画の所感」
「エドガー・ケイシー」

 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


施術者紹介

関屋淳

2011年より、理学療法士として総合病院に5年間勤務。その後、5年間訪問看護ステーションに勤務し、延べ10000回以上のリハビリを実施しています。その間、オステオパシーの施術を2000回以上実施しています。

『自分と患者さん両方の体と心を豊かに。そして、その豊かさが周囲の人たちに拡がっていくように』そのような施術を目指しています。

⇒ 詳しいプロフィールはこちら

おすすめ記事

特集記事