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目次
内蔵を調整する重要性
オステオパシーでは、からだ全身(筋骨格・脳神経系・内臓・血液循環系・リンパ循環系など)は、調和の取れた1つのチームのように連携して働いていると考えています。その中でも内蔵の働きは重要で、1つの内蔵の不調は全身に強い影響を及ぼします。反対に、1か所の内臓を施術すことで痛みが消失することや全身的な体調が回復することは珍しいことではありません。
今回はオステオパシー『内蔵』への施術についてご説明したいと思います。
内蔵の働きと全身への影響
内臓はからだの中で必要なエネルギーを作り、必要のない老廃物を排出するなどの様々な働きを持っています。西洋医学では呼吸器、循環器、消化器、泌尿器、生殖器のように分けられ考えられていますが、一つの内臓の不調は他の体の部位にも影響を及ぼします。
例えば腎臓に問題がある場合、体の中の水分量の調節が上手くいかなくなるので、結果として心臓の負担が増すことや、脚の水分量が増えた状態(むくみ)が長く続けば、足の関節や筋肉に硬さが生まれる可能性があります。このように、それぞれの内臓は全身に影響を与え合っていると考えることができます。
内蔵の「位置」と「動き」
内臓は胃がお腹の左側、肝臓がお腹の右側にあるように、おおよその位置が決められていて、すき間のないよう密集し支え合えるような位置関係になっています。しかし不良姿勢や悪い食事、外科手術、運動不足、妊娠など内臓への負担がある一定期間続くと、内臓は正しい位置を保つことが出来なくなり、多くの場合があるべき位置よりも下に下がります。
またオステオパシーの観点からみた時、内臓が密集している中でも「動き」があることが非常に大切です。関節が動くように内臓にもある程度の「動き」の幅があることで正常に働くことができます。イメージして頂けると分かりやすいですが、体を左右にねじる時、隣り合う内臓どうしが滑り合わなければ、大きく体をねじることは出来ません。また呼吸をする時、内蔵が動き形を変えることでお腹や肺が膨らむためのスペースを提供しています。このように内臓にある程度の「動き」があることは、体の健康上とても重要になります。
オステオパシー『内蔵』への施術
オステオパシーでは、触診によって「あるべき位置にない内臓」もしくは「動きの幅のない内臓」を見つけ、正常な働きを取り戻すように施術しています。オステオパシーで行う内臓への施術は、内臓自体というよりも、その内臓の周りにある膜組織に働きかけ、内臓の「位置」と「動き」を整える優しい手技です。「触れられている」ほどの圧で施術し、痛みは全くありませんので安心して受けて頂くことができます。
正常に働くことができなかった内臓を施術することで、全身的なエネルギーレベルの向上(免疫力の向上や体力の向上、循環の改善)が期待できるので、素晴らしい手技だと感じています。
内蔵と感情・心理の関係
オステオパシー内蔵調整(オステオパシーでは、内臓マニピュレーションと呼びます)の第一人者ジャン・ピエール・バラル氏は、患者さんの内臓の状態とその方の感情を研究し、感情記憶が内臓とその周りの筋膜に蓄積されることを説いています。日本には「はらわたが煮えくり返る」「腹をたてる」「腹黒い」「腑に落ちる(ふにおちる)」など内臓と感情・心理の関係を表す言葉や慣用句が多くあるので、内臓と感情の関係性を感じてきた気質が日本人にはあるのかもしれません。
私の臨床経験上でも、過去に抱いていた感情や現在抱えている思いが内臓の周りの筋膜に蓄積され、症状を引き起こす原因になっていると感じられることが度々あり、特に印象的であったある女性への施術について、まずご紹介したいと思います
怒りの感情が肝臓に蓄積していた女性の話
その方は40代の女性の方で、礼儀正しく、落ち着きのある方でした。実際の年齢よりも10才ほど若く見え、端正な容姿をされていました。その方の主な体の不調は、肩こり(右肩に強い)、緊張性頭痛、腹部の膨満感(腹部が膨らんでお腹が張っている)があり、オステオパシーの施術を受けにきました。
全身を触診で検査した所、肝臓周囲の筋膜の固着が強くあり、週一回の頻度で肝臓に関わる筋膜、背骨、頭蓋などの調整を行い、3回目の施術で全ての症状に改善が見られました。しかし、その一か月後に来たその女性は、最初に出会った時と同じ症状を訴え、肝臓周囲の筋膜が固着している体の状態に戻っていました。私が「何か感情的になる出来事はありませんか?」と尋ねると、その女性は今ついている仕事の話をしてくれました。
彼女の仕事は、デパートなどのインフォメーションスタッフを指導をすることで、主に20代前半の若い世代への指導に当たっているそうです。自分の指導した通りに業務を行えない事に強い怒りを感じていると言ってました。「その怒りを表現していますか?」と聞きました。彼女は「怒りを伝えることはしません。自分の中に留めておきます」と言っていました。私は、自分の中に溜め込んでいる怒りの感情が、肝臓に関わる筋膜を緊張させ、症状を作りだしている可能性がある。可能な範囲で怒りを表現することが必要である事をと伝えました。彼女は「やってみます」と答えました。
しかし、次回会った彼女は表情を硬くし「できません。怒りを外に出す事ができません」と言っていました。オステオパシーの施術を行いながら、彼女が怒りの表出を行えるように援助しましたが、彼女にとって怒りを表に出すことは困難な事でした。オステパシーの施術後には症状は改善するものの、仕事の機会があると再発する事を繰り返しました。オステパシーの施術だけでは、症状の改善が難しいと感じた私は、カウンセリングを受ける事を提案しました。
内蔵の中で、肝臓は怒りの感情を蓄積する臓器と言われています。この女性のケースでは、仕事で溜め込んだ怒りの感情が肝臓の筋膜に緊張を作り、それが頭と腹部の血液を滞らせ、肝臓と関連する神経に興奮が起きたために症状として現れていたと考えられます。
「体性感情解放」といって、オステオパシーの施術で内臓の周りの膜組織が調整されていくのと共に、過去に蓄積された感情やトラウマが体と一緒に解放されることがありますが、抱えている感情が非常に強い場合、オステオパシーの施術に加えて心理療法や精神分析などのカウンセリングを受けることが有効であると考えています。
感情を表出することの大切さ
感情を(特に怒りを)表出することは簡単ではありませんが、自分自身を大切にするという点ではとても重要なことです(怒りを伝える方法や形は考える必要がありますが)。自分が感じている感情と、表にあらわしている表情や表現が異なっている、いわば裏腹な状態になってしまうことは社会生活を営む上では避けられないことだと思います。しかし、その差異が大きすぎる場合、その感情は自分自身に矛先を向けています。上記の女性の場合は怒りの感情が自分自身に(特に肝臓へ)ストレスを与えていたことになります。
統計的には分かりませんが、耐え忍ぶことに美徳があり、場の空気を重んじる日本には「私は怒っています」ということを表に出しずらい風潮があり、感情を表出することが社会的に許容されている諸外国に比べて、心理面からの肝臓のトラブルが起きやすいように感じます。
内臓と蓄積される感情・心理の一例
怒りの感情と肝臓以外にも、内臓と関連のある感情・心理の一例です。
- 肝臓・胆のう=強い怒り、心配事、自己否定など
- 肺・大腸=悲しみ
- 心臓=不安
- 腎臓・膀胱=恐れ
- 膵臓=生存に関わる恐怖
単に怒りの感情というより、怒りと悲しみが混合している感情であったり、怒りの感情を辿ると元には不安があったりと、人間の感じる感情はとても複雑なものだと思います。ジャン・ピエール・バラル著『体からのシグナル』には、内臓と感情との関連が詳細に書かれています。心と体の繋がりに興味がある方にはおすすめの一冊です。
体からのシグナル~体と心が発する信号を正しく理解して最高の健康を手に入れる~
感情が蓄積された内臓は、内臓の周りにある筋膜に歪みや硬さを作り、筋膜を介して背骨などの骨・関節に影響を及ぼし、筋肉の異常な緊張や関節痛を引き起こすことがあります。臨床上よく見られるパターンとして、肝臓の問題は右肩関節の痛みや肩こり(右僧帽筋の緊張)、心臓の問題は左肩関節の痛みや肩こり(左僧帽筋の緊張)、腎臓の問題は腰痛や膝の痛みの原因となっている事が多いです。
おわりに アンドリュー・テイラー・スティルの言葉からの学び
今回の記事では、『オステオパシー「内蔵」への施術について』というテーマで、内臓を調整する重要性、内蔵の働きと全身への影響 、 内蔵の「位置」と「動き」、というオステオパシーで行う内臓への施術の概要を紹介させて頂きました。また感情と内臓の関係性についても言及しました。
最後にオステオパシーの創始者、アンドリュー・テイラー・スティル言葉を紹介したいと思います。
「健康は、人間という生命体が持つ自然の能力を基礎としている。その能力によって、人間はその生活環境における有害な影響に抵抗している。そのような有害な環境が与える効果を代償することが出来る。」
アンドリュー・テイラー・スティル
アンドリュー・テイラー・スティルのこの言葉は様々な場面に置き換えて考えることで、多くの気付きや学びがある言葉です。今回の記事の内容に当てはめるならば、「有害な影響」=マイナスな感情・心理であり、「有害な環境を与える効果を代償」しているのは、感情を貯めこむ内臓であると考えることが出来ます。そのため、内臓をより良い状態に保つことは、感情をコントロールし、平穏な心理状態を手にするすることに繋がります。
そのためには、栄養学的な観点や環境からの有害物質の影響、生活スタイルなどなど幅広い視点から内臓の健康を考えることが必要になります。また、身体的な側面から内臓を整えるオステオパシーもその一役になると思っています。
内臓の健康を維持するためのケア方法(身体面、栄養面、食事、心理面など)は、それぞれの内臓で記事にしています。
この記事を書いた施術者
関屋オステオパシー 代表
関屋 淳 (sekiya jun)
【施術実績 (累計)】
理学療法士としてリハビリを1万人以上
オステオパシーの施術を2000人以上
2児の父として子育て奮闘中
案内動画はこちら
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