瞑想

仰向けの瞑想法と瞑想を深める要点【自然体休養姿勢(しかばねのポーズ)で瞑想に入る】

お知らせ

はじめに 

クライアントの方から瞑想の方法について聞かれることがあり、今まで行ってきた瞑想法と瞑想を深めていく要点を記事にしてみました。一般的には座った姿勢で行う瞑想ですが、私は仰向けの寝た姿勢(しかばねのポーズや自然体休養姿勢と呼ばれる姿勢)で瞑想の状態に入ることをしています。体質によっては瞑想の状態に入りやすい方法と思いますので、ご興味のある方はぜひ試してみて下さい。

※自然体休養姿勢は、ヨガのシャバーサナ(しかばねのポーズ)と同義だと聞いていますが、私はハタヨガはしていませんので、ここでは肥田式強健術(ひだしききょうけんじゅつ)の自然体休養姿勢の名前で書いていきます。

瞑想は本来、座って行うものだが、、、

瞑想の姿勢について、現代を生きるヨギであるシュリー・エム氏の著書にはこのように書かれています。

「身体を横たえた姿勢と座った姿勢では瞑想中のエネルギーの流れが異なるからです。ほとんどの動物の背骨は地面に対して水平である一方、人間の背骨は地面に垂直方向となっています。これが瞑想状態に深く関係している要素です。瞑想のためには座った姿勢が最も効果的です。」

オン・メディテーション

シュリー・エム氏が言っているように瞑想は本来、座って行うことで最も効果を発揮すると思われますが、元々が虚弱な体質であった私の経験上「腰が重い」「疲れる」「足がしんびれる」といった感覚が先行して、座った姿勢で瞑想状態を得ることは人によっては簡単な事ではないように思っています。
座った姿勢で行う瞑想が難しいと感じている方には、仰向けの姿勢で瞑想を行い、まず瞑想の状態に入るという感覚を得て、それから座った姿勢へ変えていくことを勧めます。

自然体休養姿勢での瞑想をこのような方に勧めます

  • 座って行う瞑想が難しいと感じている方
  • 瞑想と一緒に休息を得たい方

『肥田式強健術』について

ご紹介する瞑想法は、肥田式強健術(ひだしききょうけんじゅつ)の「自然体休養姿勢」から瞑想の状態に入っていくので、肥田式強健術のことを少しだけ。

ブログ中で何度かその名前を出していますが「肥田式強健術」という強健法の練修会に通っていた時期がありました。肥田式強健術は、肥田春充(ひだはるみつ)氏が明治の終わりに創始した心身鍛錬体系で、強健術、天真療法、宇宙倫理の三つに大別した体系となっています。 肥田春充氏は、元々は体が弱く、その体の細さから友人からは「茅棒(かやぼう)」と呼ばれ、二度も死の宣告を受けるほどの虚弱児だったそうです。(Wikipediaより)
自身の弱さがあったからこそ、それをリソースにし、様々な方面からの人間の研究と鍛錬の実践を繰り返し、一つの強健法を体系化した。その力強さが、肥田式強健術を知った当時の私にとってとても魅力的でした。

私が通っていた練修会では「簡易強健術」「胸式・腹式呼吸法」「自然体休養姿勢」の3つを主にして行われていましたが、どれも難しい。「簡易」と名付けられていますが難易度はかなり高いと思います。肥田式強健術は、人を本質から変えていく素晴らしい方法ですが、その難易度の高さゆえに世に拡がっていないのかもしれません。

当時の私は「簡易強健術」と「胸式・腹式呼吸法」にハッキリとした効果を得ることは出来ませんでしたが(今現在でも難しいと思っています)、自然体休養姿勢で行う瞑想にだけは適正があったようで、瞑想の状態に入るということをこの時に初めて体験し、体から、姿勢から瞑想に入るということを学びました。

自然体休養姿勢で瞑想に入る

呼吸を使った方法や意識を使った方法など瞑想の方法は数多にありますが、この方法は体から、姿勢から瞑想の状態に入るということをしていきます。

自然体休養姿勢のポイント

自然体休養姿勢は仰向けで寝ているような姿勢ですが、書籍には基本となるいくつかのポイントが挙げられています。(分かりやすくするために、書かれている表現を一部変更しています)

  • 衣服を緩め、枕を外して水平に仰向けになる。楽に呼吸する。
  • アゴを上げて、後頭部をひく。脊髄と気管が一直線になるように。
  • 両腕は、体から四十五度の角度に開いて置く。両肘は伸ばし、てのひらを上に向ける。
  • 両膝を伸ばし、踵の位置は肩幅よりやや広くなるように両脚を開く。
  • 全身のどの筋肉にも力を入れない。
  • 視線を床より45度の方向に向ける。眼光は見詰めず、無邪気に見ひらく。
    (目をつぶっても良い)


上記はあくまでも基本の姿勢で、腕や脚の開き具合を微調整しながら、可能な限りリラックスする姿勢、重力に体を任せられる姿勢をとります。(例えば、肘が少し曲がっている方が全身の力が抜けるならばそちらを優先します)重力に体を任せ、体の力みが抜けていくと、体の感覚がぼやけてきて瞑想の状態に入っていきます。

私個人の感覚ですが、2番目の「アゴを上げて、後頭部をひく。脊髄と気管が一直線になるように」が自然体休養姿勢の肝だと思っています。「脊髄と気管が一直線」という感覚を私自身が完全に感得しているわけではありませんが、瞑想の状態に入りやすい首の角度があり、その感覚が分かると一気に瞑想が進むと思います。

瞑想の状態とは?

マインドフルネスという言葉が流行ったこともあって、瞑想は「瞑想をする」という行為と思われているところがありますが、本来の瞑想の意味は「瞑想の状態」のことを指しています。では瞑想の状態とは何か?これを言葉で表現することは少し難しいように感じます。瞑想は体感であり、深さがあるように思うからです。

例えば「気持ちよい」「リラックス」という身体的な感覚から「無心」「意識と無意識の狭間」「普段は感じることのない体感」「何かのビジョン」など深い意識の領域まで様々な感覚があり、瞑想をするその度に違った瞑想の状態がおこります。

瞑想を深めていく

瞑想を始めてまだ十数年ですが、私が感じた瞑想を深めるための要点を記事にしてみました(随時、加筆・更新予定です☆)
※私には瞑想の師がいるわけではなく、独学で瞑想を深めています。その点を踏まえて何かの参考にして頂けたら幸いです。

瞑想と自己肯定

上記に書いた通り、瞑想の状態には様々な領域があり、その度その度に違った瞑想の状態が起こります。時には何も感じられない場合もあり、反対に強いインパクトが残る瞑想体験もありますが、その時に起きた瞑想の状態を疑わず、何も感じられなくとも焦らず、肯定的に受け入れることが大切であると感じています。

瞑想は起こすものではなく、起こるもの

また私の現段階の解釈としてですが、瞑想とは「自分自身を理解すること」だと思っています。

瞑想を通して、自分が内に持っていた静寂や心地よさなどポジティブな面を感じることが出来た反面、自分自身の醜い部分にも気付くことになりました。
人は、多面的で多くの矛盾を持っている存在です。そのことを瞑想体験を通して理解することは、自己に対する肯定感だけでなく他者に対する肯定感をも強くします。

瞑想と集中

「無心でただ一つのことに集中することは瞑想に通づる」

これはグアム、タモン湾の水平線を眺めていて、瞬間的に瞑想の状態に入ったことで直覚したことです。瞑想技法で呼吸に集中する、マントラや意識に集中することと同じように、仕事中や家庭にも瞑想の状態に入る入口はあり、何かに無心で集中していると瞑想状態に入ることがあります。

私の仕事で言えば、クライアントの方の話を聞いている時と施術中に瞑想の状態に入っていることが良くあります。日常の中で瞑想をする時間は限られていますが、自分にとっての瞑想に入るシュチュエーションが見つかると瞑想を深めていく一つの機転になると思います。

また瞑想をする時、集中できる環境を整えておくことも深い瞑想状態に入るために大切です。出来るだけ同じ場所、同じ時間帯に瞑想する習慣をつくること。整理された空間で行うことは良く言われています。(瞑想の時間として朝5時が推奨されることは、物音の少ない静かな時間帯であることも一つの理由であると思います。)瞑想着として瞑想をする服装を決め、集中力を高めている瞑想の先生の話も聞いたことがあります。

楽しく、気持ちよく瞑想を続ける

他の健康法にも言えることですが、瞑想の効果を得るためには一朝一夕では難しく、一定の期間を要します。思い返してみると、瞑想の効果として自分が本質から変化しているように感じ始めたのは、瞑想を日課にして3年ほどたった頃からでした。瞑想状態の深さや効果は違えど、瞑想は長い目でみて取り組むべきものだと思います。そのためにぜひ楽しく、気持ちよく行える瞑想法を見つけてみて下さい☆

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関屋

私個人の体験ですが、一つの瞑想法だけを継続して続けていると好転反応や揺り戻しが強く起きた時期がありました。(刺激される丹田やチャクラが偏るからと思われます)指導者がいれば別ですが、私のように個人で瞑想をしている方は複数の瞑想法を平行して行うことや他のボディーワークを取り入れることを勧めます。

任せきる

「任せきる」ということが重要ではないかと思っています。私が日課にしている自然体休養姿勢の瞑想であれば、体に「任せきる」、重力に「任せきる」、感覚に「任せきる」、流れに「任せきる」、、、etc.
瞑想は、自分自身のコントロールを超えたところにあるものとの対話でもあるので、完全にゆだねることで効果が増すと思いますし、自然とその状態になっていくものとも思います。

この記事を書いた施術者

 

関屋オステオパシー 代表 
関屋 淳 (sekiya jun)
【施術実績 (累計)】
理学療法士としてリハビリを1万人以上
オステオパシーの施術を2000人以上
2児の父として子育て奮闘中
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施術者紹介

関屋淳

2011年より、理学療法士として総合病院に5年間勤務。その後、5年間訪問看護ステーションに勤務し、延べ10000回以上のリハビリを実施しています。その間、オステオパシーの施術を2000回以上実施しています。

『自分と患者さん両方の体と心を豊かに。そして、その豊かさが周囲の人たちに拡がっていくように』そのような施術を目指しています。

⇒ 詳しいプロフィールはこちら

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