瞑想

オン・メディテーション 現代を生きるヨーギーの瞑想問答 / シュリー・エム著、青木光太郎訳【書籍レビュー 】

お知らせ

現代に生きる「あるヨギの自叙伝」と呼ばれているシュリー・エム氏の著書「オン・メディテーション 現代を生きるヨーギーの瞑想問答」を読みました。
瞑想を日課として10年がたち、自分にとっての瞑想が形造られてきている感がありましたが、瞑想に対して立ち戻って考える機会を頂き、身の引き締まる思いになりました。自身が行っている瞑想に寄り添い、指針を示し、暖かく強い力で後押ししてくれる一冊をご紹介したいと思います。

著者プロフィール 

シュリー・エム SriM

1948年に南インドのケーララ州でムスリームの一家に生まれ、幼い頃からヒンドゥーとイスラーム、その他の宗教の教えに強い関心を示し、様々な教師を訪ねる。ヨーガの世界に惹かれ、19歳で家を離れて、ヒマラヤを旅する。洞窟で生涯の師マヘーシュワルナート・ババジと出会い教えを受けた後、社会生活に戻る。後に、ラーマクリシュナ・ミッションで僧として数年間を過ごし、20代後半でJ・クリシュナムールティと出会い、クリシュナムールティ財団に勤める。

ヒマラヤでの経験を語ることはなかったが、その後に執筆された自叙伝(『ヒマラヤの師と共にー現代を生きるヨーギーの自叙伝』蓮華舎刊)がインドのベストセラーとなり、教えを求める人が集い、活動は国内及び欧米諸国に広がりを見せる。2015年にはインド全土の7500キロを1年かけて歩く「Walk of Hope」を実施し、各地で異なる宗教や民族間の対話、祈りの機会を提供する。 
                              
現在も、国内外における求道者に向けてサットサンガやオンラインでの講演も含め、ヨーガやヴェーダーンタ等の深い経験と知見に基づいた教えを続けると共に、地域住民に無償の医療と教育の機会を提供するサットサンガ・ファンデーション代表。全寮制の中高一貫校「people Grove School」など様々な慈善活動を展開している。(オン・メディテーションより引用)

オン・メディテーションの概要と感想

著者、シュリー・エム氏が瞑想者からの87個の問いに答える形で瞑想について講じています。「なぜ瞑想をするのか」「マインドフルネスとはなにか」という本質的な内容から、「どのように瞑想をするか」といった瞑想の方法や実践する上で考慮する点、瞑想入門者にとって少し聞きずらい疑問まで細かく答えてくれています。

瞑想と切っても切り離せないヨガやインドの哲学。私と同じように難解に感じている方も多いと思いますが、本書では現代的な例えや説明があり、身近に感じ取る事ができます。また言葉では説明がつかない内容に関しても聖者や賢者とのやり取りやのエピソードを交えながら描かれていて、より一層「瞑想」というものに興味が惹かれました。現代的で、地に足の着いた瞑想の書籍だと感じます。

本書は、瞑想の入門書であり、実践書でもあると思います。その時の瞑想の段階や状態によって、本書から受け取る事ができる内容や気づきは全く異なる物になるのではないでしょうか。私のように特定の師や指導者を持たずに瞑想を実践する者にとって、この書籍が持つ意味は大きいです。その時節が来たらまた、この書籍を読み返すことになると思います。

瞑想問答のご紹介

書籍の中で講じられているシュリー・エム氏の瞑想問答の中で、私が最も感銘を受けた内容を引用させて頂きたいと思います。

なぜ瞑想を行うのか

ずっと前に、私が師と共に旅をしていたときのことです。まぶたを全く動かさずに毎日六時間、七時間ほど瞑想をできるようになりたいと、私は彼に言いました。

彼は私の方を向いて言いました。「そのような例はいくらでもお前に見せることはできる。しかし、たとえ一日十時間の瞑想を十年間続けることができたとしても、もし隣の家に住んでいるお腹をすかせた子どもの泣き声が聞こえなければ、毎日十時間を瞑想に費やした十年間は全くの無駄だったのだ。」

彼が言おうとしたことは、魂の成熟のために瞑想があるのだということです。ここでの進歩は瞑想中に空中浮遊することでもなく、誰かの病を超能力で治癒できるようになることでもありません。また、瞑想を六時間続けてできるようになることでもありません。超常的な能力は魂の成熟とは関係のないことです。修行の道における最も大事な進歩の証は、瞑想をする人の心があたたかくなることです。もしある人物が瞑想でサマーディの状態を体験したと言い、それでもこの人の心が石のように固く、冷たいままだとしたら、この場合の瞑想はあまり意味のないものです。

シュリー・エム

「なぜ瞑想を行うのか」とても本質的な疑問だと思います。私が瞑想を行っていた10年間の間にはこの問いに対する明確な答えに辿りつく事が出来ていませんでしたが、1つの答え、指針を教えて頂き、自分のことが少し理解できたように感じます。

YouTubeでも「なぜ私たちは瞑想をするのか」というテーマでシュリー・エム氏が講じているサットサンガが公開されています。ご興味のある方はぜひ見てみて下さい。

part ① 

part ②

part ③

part ④

part ⑤

part ⑥

part ⑦

part ⑧


この記事を書いた施術者

 

関屋オステオパシー 代表 
関屋 淳 (sekiya jun)
【施術実績 (累計)】
理学療法士としてリハビリを1万人以上
オステオパシーの施術を2000人以上
2児の父として子育て奮闘中
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施術者紹介

関屋淳

2011年より、理学療法士として総合病院に5年間勤務。その後、5年間訪問看護ステーションに勤務し、延べ10000回以上のリハビリを実施しています。その間、オステオパシーの施術を2000回以上実施しています。

『自分と患者さん両方の体と心を豊かに。そして、その豊かさが周囲の人たちに拡がっていくように』そのような施術を目指しています。

⇒ 詳しいプロフィールはこちら

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