オステオパシー

オステオパシーと体の中に感じる波【潮:tide(タイド)】の動き

   

お知らせ

体の組織は、動き続けている

人間の体の組織には、いろいろな動きが存在しています。活きている組織には動きがり、活動していない組織は動きがなく、止まっているように感じられます。
例えば筋膜、神経、動脈、静脈には、それぞれ別々な動きがあり、触診により動きを感じ取る事で、その組織の状況を把握する事ができます。同じように、体液(脳脊髄液やリンパ)にも動きや流れがあります。

患者さんの体に触れている時に、潮の満ち引きのような流れ、リズムを感じることがあります。普段している呼吸(肺呼吸)とは違うタイミングで、寄せては返す波のようにゆったりと流れている。体の中にに感じるそのような波の動きを伝統的なオステオパシーでは「tide(タイド:潮)」という言葉で表現しています。

tide(タイド):潮について

体の中に感じられる潮の満ち引きのような流れ、リズムは1分間に8回~14回の頻度で繰り返し流れています。この8回~14回という数字は、実際の海で波が押し寄せるのと同じ回数だそうです。最初の生命は海の中で誕生し、進化と共に陸に上がってきました。私たちの体の中には、今も海の中にいた時の記憶が残り、手を通してそれを感じ取る事ができます。

tide(タイド:潮)は何を意味しているのか

オステオパシーの創始者A・Tスティルを初め、オステオパシーの先人達が残した文献には抽象的な言葉が多く、また何故か「タイド」に関しては記録として残っている内容が少ないように思います。また代々、手を介して伝えられて来ている感覚なので、施術者によって「タイド」に対する解釈には違いがあり、感覚としては鮮明に感じるのに「これは何を感じているのだろう?」と、今まで腑に落ちた理解が出来ていませんでした。
書籍「靭帯性関節性ストレイン」の中で、頭蓋オステオパシーの創始者ウィリアム・ガナー・サザーランドの「タイド」に関して記載を見つけました。

「そのリズミカルな満ち引きから、サザーランドはCRIを好んで“潮”と呼んでいた。その名に“クラニアル(頭蓋の)”を冠してはいるが、その動きは全身に存在し、身体中どこでも感じ取ることができる。間質液のリズミカルな動きはすべての細胞を洗いかつ潤す。そして毛細血管から細胞へ栄養素を運び、細胞から毛細血管へと老廃物を運び去る。この満ち引きは、まるで大海原の潮や波のようだ」

引用「靭帯性関節性ストレイン」

  • CRIとは・・・クラニアル・リズミック・インパルス。脳や脊髄を覆う硬膜にみられる脳脊髄液のリズムのこと。

サザーランドは、細胞をひたす液体である間質液の流れの事を「タイド(潮)」として考えていたことが読み取れます。

間質液

人間の体は、60兆個もの細胞が集まって出来ています。その細胞一つ一つは間質液という液体の中にひたるように存在しています。間質液は、酸素や栄養素を体全身にある細胞に届け、細胞は酸素を使用して生命に必要なエネルギーを作る。その過程で生じた二酸化炭素や老廃物を間質液が回収する。という橋渡しの役割を果たしています。これを「細胞の呼吸」と呼びます。

オステオパシーがしていること

組織の位置を修正し、適度な柔軟性を取り戻すオステオパシーの施術には「タイド(潮)」つまり間質液の流れを増大させる力があります。淀みなく流れる間質液は、すべての細胞を洗いかつ潤し、細胞が持つ働きを高めてくれます。ミクロな視点で見ると、オステオパシーは細胞レベルに働きかけていると考えられます。

また、私はお会いした事はありませんが『靭帯性関節性ストレイン』の著者コンラッド・スピースは、以下のように言っていたそうです。

「オステオパシーはテクニックではない。テクニックではなく、体の中の間質液が上手く流れる方法があればそれを行いなさい」

終わりに

体の中に起きている「タイド」は、手の感覚として捉えることができるのに、その生命活動を科学的に証明することは出来ない。そのような事柄の一つなのではないかと思います。しかし、手の中で起きている現象を解剖学・生理学的と照らし合わせて考える過程には、オステオパシーの施術者として意義があります。
手の感覚には限界はありません。触診能力が高まるにつれ、今まで捉えられなかった感覚に出会うことがあると思います。その時、自分が感じている感覚と科学を繋げる作業は、今後も続けていきたいと思います。

参考書籍:『靭帯性関節性ストレイン』

この記事を書いた施術者

 

関屋オステオパシー 代表 
関屋 淳 (sekiya jun)
【施術実績 (累計)】
理学療法士としてリハビリを1万人以上
オステオパシーの施術を2000人以上
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施術者紹介

関屋淳

2011年より、理学療法士として総合病院に5年間勤務。その後、5年間訪問看護ステーションに勤務し、延べ10000回以上のリハビリを実施しています。その間、オステオパシーの施術を2000回以上実施しています。

『自分と患者さん両方の体と心を豊かに。そして、その豊かさが周囲の人たちに拡がっていくように』そのような施術を目指しています。

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