オステオパシー

産後の骨盤と会陰切開【手術痕による全身への影響】

   

お知らせ

はじめに

9月22日に妻が出産を終え、無事に第二子(男の子)が産まれました。
本来ならば産後すぐに施術を行いたい所でしたが、コロナウイルスの影響で入院中に面会にも行けず。。。出産4日後、自宅に退院してから妻の体(骨盤が中心になります)が本来の位置に修復してく事を助けるようオステオパシーを施していました。触診によって骨盤の状態を観察し経過を観ていく中で、出産時に会陰切開の処置を行っている事が、妻の骨盤や体の回復に影響を与えている事を強く感じました。

会陰切開について

出産に関わった事がある方なら「会陰切開(えいんせっかい)」という言葉を聞いた事があると思います。

赤ちゃんを出やすくするために分娩台で会陰部を産婦人科医がはさみで2~3cm切り広げる処置を会陰切開と言います。

身原病院

会陰切開の始まりは、1742年アイルランドのフィールディング・オールド医師が難産の産婦さんに行ったのが最初と言われているそうです。現在は難産の時だけではなく、赤ちゃんが産道を通りやすくする目的で行う産科医の先生が増えているようで、今回の妻の出産でも診ていただいた産婦人科の方針で会陰切開を行う事は最初から決まっていました。

会陰とは

「会陰」とは、膣口と肛門の間で長さ3cm程の部分の事を指します(会陰腱中心とも言います)。解剖学的に観ると「会陰」は、骨盤の底で子宮など骨盤内臓を下から支えている骨盤底筋群の一部であり、骨盤底の中心に位置する重要な所です。骨格である骨盤と骨盤庭筋群は鶏と卵の関係にあり、相互に強い影響を与えあっているので、当院では骨格としての骨盤と骨盤底を必ずセットで施術するようにしています。
また、体の安定性に関わる「軸」「センター」または「正中線」と言われる身体の中心を貫くラインは、会陰を通るとされています

産後の妻を施術していて、手の中で感じた事

産後4日目の妻の骨盤は、左右の骨盤が大きく捻じれ、それは骨盤内の子宮の周りの筋膜にも影響し、また腹膜を通して胸郭(肋骨で囲まれた空間)の膜組織を引き下げるような力が働いていました。さらに筋膜を通して骨盤の中を診ていくと、肛門と膣口の間「会陰」の部分に強い緊張があり、そこを中心にして骨盤や子宮の周りの組織の歪みが作られている事が感じ取れました。施術としては、切開している「会陰」の手術痕のリリースと、それに合わせて子宮や骨盤の関節が対応するようにバランスを取っていきました。(直接に会陰に触れるわけではなく、骨盤を包み込むように触り、会陰の筋膜に働きかけています)

骨盤と子宮のバランスが取れた瞬間、左右の骨盤がスーッと内側に引き込まれるように動いていった事が印象的で、骨盤内の筋膜が整った事で子宮が正常に収縮したような感覚でした。おおよそ3日おきに3回施術し、左右の骨盤の捻じと会陰部の強い緊張はなくなったので、過度な施術はせずに経過をみています。

オステオパシーで考える切開や手術痕について

会陰切開だけではなく、骨折後の手術やカテーテル手術など筋膜を切開し、その後に縫合するような手術を行う事は、体に大きな影響を与え、手術直後のみならず、数年後、数十年後に何かしらの症状の原因になる可能性があるとオステオパシーでは考えます。

上の写真を見て頂きたいのですが、布の一か所にねじりの力を加える事で、そのねじれの力が周囲にも及んでいることが分かります。手術で筋膜を切る事は、写真と同じように筋膜の一か所に引っ張る力や、ねじれ、緊張を作り、全身に連続している筋膜を伝って体の遠く離れた部位にまで影響を及ぼすことになります。今回、妻の場合は会陰切開を行った事が、胸郭(肋骨で囲まれた空間)の中の筋膜まで引っ張りあげ、肋間神経痛のような症状の原因になっていました。

オステオパシーには、手術痕(手術の傷)に対するテクニックがあり、筋膜の歪みやひきつれを解き、手術により硬くなっている組織を柔らかくする事ができます。婦人科の手術の中でも、帝王切開の手術痕よる影響は特に強く、腰痛や骨盤痛など付近の症状だけではなく、筋膜を通して全身の様々な症状を引き起こしている事が度々あります。

筋膜に関してはこちらでも記事にしています。

おわりに

会陰切開は、出産時に赤ちゃんが産道を通りやすくなり、母体への負担が軽くなるという面で良い方法論であると思います。しかし、その影響で産後の骨盤の戻りが悪くなり、腰痛や骨盤痛など不調の原因になる場合が考えられます。また子宮の収縮が進みずらい可能性があるのでホルモンバランスが崩れ「イライラする」「不安になる」「自己嫌悪になる」など心理面にも影響を及ぼす事も今回、産後の妻の体を施術していて感じました。会陰切開を行う事と同時に、産後の骨盤のケア(骨盤底筋を含めて)がより一般的になる事を切実に望みます。

この記事を書いた施術者

 

関屋オステオパシー 代表 
関屋 淳 (sekiya jun)
【施術実績 (累計)】
理学療法士としてリハビリを1万人以上
オステオパシーの施術を2000人以上
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施術者紹介

関屋淳

2011年より、理学療法士として総合病院に5年間勤務。その後、5年間訪問看護ステーションに勤務し、延べ10000回以上のリハビリを実施しています。その間、オステオパシーの施術を2000回以上実施しています。

『自分と患者さん両方の体と心を豊かに。そして、その豊かさが周囲の人たちに拡がっていくように』そのような施術を目指しています。

⇒ 詳しいプロフィールはこちら

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