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※元々エンパスであった私自身の体質が変わり、エンパスをコントロール出来るようになりました。現在は「エンパスは改善する可能性がある」と考えているので記事の内容を一部変更しています。
※エンパスとHSPと題していますが、エンパスの事を中心に書かれた記事となっています。
目次
「エンパス」という言葉を知っていますか?
高い共感力を持ち、人の感情やエネルギーに敏感な気質を持つ人を「エンパス」と呼びます。スピリチュアルや超能力と紐づけされて捉えられることがあるエンパスですが、本来は「気質」です。
日本人の5人に1人は、少なからずエンパスやHSPの気質を持っていると言われているので、思っているよりもずっと身近なお話だと思います。もしかしたら、この記事を読んでいる方自身がエンパスであるかもしれないし、家族の方が、仲の良い友人が、その気質を持っているかもしれません。学校や職場など多くの人と関わる中で、自分自身の敏感さを感じている方は、もしかしたらエンパスの気質を持っている可能性があります。
エンパスには「生きずらさ」を感じる人が多い
エンパスの語源は、エンパシー(empathy:共感)です。
共感とは,他人の気持ちや感じ方に自分を同調させる資質や力を意味する。すなわち,他人の感情や経験を,あたかも自分自身のこととして考え感じ理解し,それと同調したり共有したりするということである。その結果,ヒトは他人のことをより深く理解することができる。
コトバンク
共感力が高い事は、人の感情や気持ちを感じ取り、相手を深く理解できる能力である反面、その感受性の高さがために、人の感情や体の状態をあたかも自分の事のように感じ、周りにいる人から心理的にも身体的にも大きな影響を受けます。
例えば、「身近に気が立っている人がいるとすぐ分かる。また自分にもそれが伝わり意味も分からずイライラしてくる」「頭痛のある人のそばにいると、頭が痛くなってくる」というような事が起こります。心と体の状態が周りからの影響を強く受けやすいエンパスは、学校や職場、人混みなど多くの人の感情やエネルギーが錯綜している社会生活では「生きずらさ」を感じ、体調を崩しやすいと言われています。
私も20代の頃にエンパスの気質を自覚し、社会の中で生きていく事に難しさを感じてきた一人です。周りの人の感情やエネルギーに大きく揺さぶられ、体も心も気付かぬうちに疲弊し、気付けばまともに働く事が難しくなっていました。
エンパスのテスト
エンパスという言葉は、もともとアメリカ人のローズ・ローズトゥリー女氏により定義されました。著書「エンパシー共感力のスイッチをオン/オフしよう」の中で、アンケート型のエンパスのテストが記載されているので、引用してご紹介したいと思います。
- 魅力的な人に会うと、その人のようになりたいと感じる。
- 人が誰かに共感しているようにふるまっているとき、実際は違うことがわかるのでイライラしたり、おかしくなる。
- 自分だけでなく、人に対して過敏である。
- 恋することのメリットの一つは、恋人の目を通して世の中を見られることだ。すべてがいつもと違って、新しくなる。
- 人から受ける賛辞の中で、お気に入りは、「あなたは私の質問に本当に答えてくれている」や「あなたは誰よりも私をわかってくれている」である。
- 友達といるとき、ただおしゃべりするだけでなく、私の波長がシフトする。たとえば、相手がアーティストだったら、色がいつもより鮮やかに見える。ミュージシャンだったら、音が聞こえる。スポーツ選手だったら、体に活力がわくのを感じる。
- 同じ話を初めて会った人に話すとき、三人いたらそれぞれ違う話し方になる。たとえば、相手の学歴について何も知らないのに、高い教育を受けている人には、自然に難しい言葉や長い言葉が出て来る。
- 病気の人と一緒にいると、相手の症状を何もしないのに感じる。もし、その体験を完全に受け入れてしまうと、手に負えなくなるかもしれない。
- 人と話したり、ダンスしたり、教えたりすると、相手の波長にすぐ合わせられる。相手が何を考えているかがわかる。
- 植物に話しかけると、応えてくるのがわかる。
- 野外にいると解放される。景色が変わるだけでなく、考え方や感じ方も変わる。まるで、動物や植物の意識を感じ取っているようだ。
- ペットといるとき、その世界に入れる。ペットを飼うことの素晴らしさは、彼らの世界を共有できることだ。
- 鏡を見るとショックを受ける。「これが私なの?」と。単なる顔と体以上に、自分をエネルギー(非物理)的存在として認識しているからだ。
- 友情とは、単に共通の興味を分かち合うだけではない。友人たちが、さまざまな生き方を示してくれるのが楽しいのだ。
- 私には、人生のより深い次元を探求している人に出会いたい、という強い願望がある。自分と同類の人間に出会うと、たとえ道ですれ違いざまに目が合っただけでも、私のスピリットは何時間も鮮やかになる。
上記の質問に対して◯が一つ以上あれば、おそらくあなたは生まれながらのエンパスであると、ローズ・ローズトゥリー女氏は言っています。
そこまで言わずとも、当てはまる項目が多ければ多いほどエンパスの気質を強く持っていると解釈できると思います。
(ちなみにですが、私は15項目の中で11項目が当てはまりました)
エンパスとHSP
ここ数年で「HSP(エイチエスピー)」が広く知られるようになってきました。HSPは、Highly-Sensitive-Personの略で、「視覚や聴覚などの五感が敏感で、とても繊細な人」を指しています。
エンパスはHSPの一面であり、エンパスの人はHSPの気質も持っているとの見解がされているので「共感力が高い」「周りの感情に影響を受けやすい」「刺激に対して敏感で、疲れやすい」などHSPとエンパスには共通する点がありますが、HSPは五感や目に見えるものを重視するのに対し、エンパスは、目に見えない感覚や感情、エネルギーを感じ取るという点で違いがあります。
エンパス:目に見えない感情やエネルギーを感じ取る。主観を大切にする
HSP:五感や目に見えるもの、客観的な情報を重視する
HSPとHSC
HSP(Highly-Sensitive-Person)を提唱したアメリカの心理学者エレイン・N・アーロン氏は、子どもがHSPの状態である事をHSC(Highly-Sensitive-Child = 「感覚や人の気持ちに敏感で傷つきやすい子ども」)と定義しました。
HSPとHSCは大人と子供という点以外に違いはありませんが、子どもは大人のように自己を分析する能力が十分には養われているとは言えないので、「音や匂いに敏感」「周囲に影響を受けやすく疲れやすい」といった気質を持つHSCの子どもが学校生活を送る時、多くのストレスがかかっている事を周囲(家族や教育現場の方)が理解するはより必要であると思います。
エンパスの心と体への負担を軽くする『リセットの方法』
エンパスは、他人のエネルギーや感情に影響を受けて、自分のエネルギーの状態が崩れ、枯渇し、知らず知らずのうちに体と心が疲弊しやすい傾向にあります。
書籍「エンパシー共感力のスイッチをオン/オフしよう」の内容と、私の経験も踏まえて、自身のエネルギーの状態を整え、リセットする方法をいくつかご紹介したいと思います。生活の中での少しの工夫で疲労感が変わってくるので、ぜひ試してみて下さい。
帰宅後すぐに入浴する
シャワーや入浴は、汗をかく体のデトックスだけではなく、余分なエネルギーを洗い流し、自分のエネルギーの状態を整える効果があると思います。人混みや満員電車などに乗って帰宅した後に、強い疲労感を感じる方や動けなくなってしまう方は、まずお風呂に入ってエネルギーの状態をリセットする事をすすめます。
自分にとって適した睡眠をとる
普段から多くの情報を感じ取っているエンパスにとって、脳の情報を整理する睡眠は大切な要素です。また、日頃のストレスのために睡眠が浅い方がエンパスには多いそうです。私も睡眠が浅く短いエンパスで、今まで睡眠の取り方に関して試行錯誤してきました。あくまでも私の場合ですが、疲労を感じたら仮眠を取るようにしています。短い仮眠でも、重くなっていた体と思考が軽くなり、その後の時間を有意義に使う事が出来ます。
ぜひ、ご自身に合った睡眠の取り方を研究してみて下さい。
ひとりの時間を作る
自分がひとりで居る時間を作ることは、誰に取っても大切な事ではありますが、周囲からの影響を受けやすいエンパスにとっては特に重要な意味があります。「1日の中で、1人で居る時間がないと辛く感じる」事が、エンパスの特徴の一つでもあるので、既にされている方も多いかもしれません。
1日の中のどこかで、周りと離れた一人だけでいる時間を意識的に作りましょう。もし部屋数に余裕があれば、一部屋を自分にとって居心地の良い空間に作り、そこで過ごす事が良いかもしれません。
デンマークには“HYGEE”(ヒュッゲ)という暮らしの考え方があります。北欧の方の空間の作り方や時間の過ごし方は、エンパスの方にとって参考になる点が多くあると思います。
自然の中で過ごす
人間も自然の一部分です。山を歩く、公園で過ごす、ガーデニング、庭や土で遊ぶなど、自然が持つエネルギーに触れることは、自分のエネルギーの状態を整える事に大きく貢献します。科学的に観ると、カリフォルニアで発祥した「アーシング」の効果と近いのではないかと考えています。
「アーシングを行えば、ちょうど電化製品のアースのように、体に溜まった余分な電磁波や静電気を地中に放電することができ、同時に大地から電子を取り込むことができます。その結果、体の機能の活発化が期待できるのです」
アーシングジャパン代表 田中一明氏
目をつぶる
私個人の経験的な方法ですが、一日の中で意識的に目をつぶる機会を多く作るようにしています。
ほんの数秒から数分の短い間でも、目をつぶり外の情報をシャットアウトする時間を作ると疲労の蓄積が軽減します。忙しくて時間がない方にお勧めの方法です。
エンパスは『資質』~エンパスを活かす~
長い間、自分のエンパスの気質に悩み苦しんできましたが、深く共感する事、人のエネルギーを敏感に感じ取る事は、私に「生きずらさ」を与えると同時に、オステオパシーの施術をする上での大きな助けにもなっています。ある時からエンパスは自分にとって必要なものでもある事を感じ始めました。エンパスは「気質」でもあり、「資質」でもあります。エンパスでなければ出来ない事があり、エンパスを活かして生きていく方法があると思います。
適材適所
エンパスは、周りの状況やエネルギーに影響を受けるので、適した環境に身を置く事が非常に大切です。自分と周りとの波長が合っていて、またチームとしても調和が取れている環境に身を置く事でその「資質」を最大限に発揮できると思います。しかし、様々な人の感情やエネルギーが錯綜しているのが社会です。例えば、学校のクラスや会社の部署では、様々な感情やエネルギーが飛び交い、全体として調和が取れている状況を維持することは難しい事だと思います。
そのためにエンパスには、自分のペースで行える個人や気の知れた方と行う仕事やクラブなら競い合うチームスポーツではなく、絵画、書道、写真など自分自身と向き合うような活動が適していると言われています。
エンパスの共感力を活かした職業
- カウンセラー
- セラピスト
- 占い師
- 福祉に関わる仕事
- 医療系の職種(看護師や介護士)
- ブリーダー
- 会社の受付 など
エンパスが「共感力」を持っている意味は大きいと思います。共感がなければ出来ない事、始まらない事は多くあり、エンパスが感じている「共感」は相手にも伝わっています。
また、相手の問題(カウンセラーなら心の、セラピストなら体の)を解決する事が出来たなら、その共感力を通して自分の事のように感じ、共に喜びを感じる事が出来ます。エンパスの方は、共感力を活かした職業に就く事をすすめす。
エンパスは改善する可能性がある
エンパスに関する書籍やweb上の情報にあるように、エンパスは気質であり、「治る」もしくは「改善する」ものではなく、自身のエンパスの気質に合わせて身の回りの環境を変えていく他に道はないと私自身も考えていましたが、2022年に入ってから体質が変わり、エンパスをコントロール(必要な時にだけエンパスが働き、それ以外にはエンパスの状態ではなくなる)出来るようになりました。
具体的には、オステオパシーの施術中やカウンセリング中など、話を傾聴したり触診で筋膜を読み取る時には無意識にエンパスが働き、それ以外の日常生活(電車移動中や職場、家庭など)ではエンパスではなくなっています。それにより今まで感じていた人と関わった後の疲労や他人の感情に同調してしまい自分の感情が乱れる事がなくなり、「生きずらさ」を感じる事もなくなりました。
エンパスは「気質」であると分かっていても社会の中で生きていく事はとても辛かったので、その生きづらさを解消するために長い間試行錯誤してきました。私がエンパスを改善した経緯はこちらで記事にしています。エンパスの気質に悩んでいる方や、改善したいと思っている方は何かヒントになる事があるかもしれないので是非、読んでみて下さい。
おわりに
エンパスにもいくつかのタイプ・種類があるので、今回の記事が全てのエンパスの方に当てはまるわけではないと思いますが、少しでもエンパスの気質を持つ方の参考になれば幸いです。エンパスの一人として、エンパスとの付き合い方や「資質」としてのエンパスの活かし方、改善するための方法を今後も研究していきたいと思います。
この記事を書いた施術者
関屋オステオパシー 代表
関屋 淳 (sekiya jun)
【施術実績 (累計)】
理学療法士としてリハビリを1万人以上
オステオパシーの施術を2000人以上
2児の父として子育て奮闘中
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