オステオパシー

オステオパシーの魅力【歴史 / 語源 / 国家資格 / カイロプラクティックとオステオパシー】

お知らせ

はじめに

オステオパシーは、まだまだ日本で広く認知されているとは言えず、多くの方に知って頂けていない現状かと思います。この記事ではオステオパシーの歴史や語源、資格などについてご紹介させ頂いて、少しでもオステオパシーの魅力を感じて頂けたら幸いです。

オステオパシーの歴史と広がり

オステオパシー(osteopathy)とは、1874年にアンドリュー・テイラー・スティル(以下、A.T.スティル)というアメリカ人によって創始された医学体系であり、手技療法です。
A・Tスティル博士は、医師(内科・外科医)でありながら当時流行していた脳脊髄膜炎により3人の子供と自分の父親を失くしました。 そして当時、手厚い医療を受けていたのにも関わらず命を落とす人がいる一方で、貧しいがために医療を受ける事ができなかった人が脳脊髄膜炎から回復していく事実を目にし、自分が行っている医学に疑問を抱きます。

A・Tスティルは、解剖学、生理学、病理学などの医学知識に加えて自然科学をひも解き、人体や人間に対するあらゆる視点からの研究を独自に始めます。そして、10年後の1874年6月22日、以下の4つの原則と共に、手技により人間が本来持つ自然治癒力を高める「オステオパシー」を発表します。

オステオパシーにおける4つの原則

①身体は一つのユニットである。一人の人間とは、身体、心、及び精神の単位である

②構造と機能は相互に関係している

③身体は自己調節、自己治癒、健康維持能力を備えている

④オステオパシーの合理的な治療には以上3つの原則に基づいて行われる

※オステオパシーにおける4つの原則の詳細は「オステオパシーとは?」のページにまとめています。

A.T.スティルが「オステオパシー」を治療法として発表した当初、アメリカ医学界からの反発にあい、オステオパシーの存在は受け入れられませんでした。そのような中にあっても、A.Tスティルは、自分の信念の元でオステオパシーの施術をして全米を周り、次第にその治療効果が人から人へ口伝で伝わり、少しずつ人々から認められていきました。

1892年には、アメリカのミズーリ州カークスビル(Kirksville)に、オステオパシーの最初の学校であるアメリカン・スクール・オブ・オステオパシーを設立、1910年にはオステオパシーが医学として公認されるに至ります。現在では、全米に多くのオステオパシー医科大学(28校)があり、イタリア、イギリス、カナダなどの欧米でもオステオパシーの教育機関が設立され、世界的な広がりを見せています。

『オステオパスは症状を扱うのではなく、原因を扱わなければならない。症状は、原因が調整されれば消失する』

アンドリュー・テイラー・スティル

オステオパシーの語源

オステオパシー(Osteopathy)の語源は、ギリシャ語のosteon(オステオン:「骨」を意味する)とpathos(パソス:「病・療法」を意味する)という2つの言葉から作られた造語です。英語訳で「骨の性質を利用した施術法」や「整骨療法」と訳す事が出来ますが、osteon(オステオン)は「骨」に加えて「生命体の構造」という意味を持ち、A・T スティルが言った「生命体の構造」とは、全身の器官(骨だけではなく、筋肉、内臓、神経、血管、リンパなど)と、また全ての器官を一つに繋げる筋膜(Fascia)の事であると考えられています。

この「osteon」に対する解釈の違いから、オステパシーの広がりに違いが生まれ、「osteon」を英語訳したイギリスのオステオパスは構造を「骨」と捉え、オステオパシーを骨・関節を中心に考え、アメリカやフランスでは構造=「筋膜」と捉え、筋膜の連続性を根幹となる考え方として施術を行う傾向にあるとも言われています。

発祥の国アメリカでは「医師」が用いる徒手技術

オステオパシーが発祥したアメリカでは、オステオパシーの施術者は、D.O.(Doctor of Osteopathy)と呼ばれる正規の「医師」です。アメリカ全州で「医師免許」の使用を認可され、一般の西洋医学の医師と同等の医療行為(診断や手術、薬処方・投薬)が認められています。

アメリカ以外でも、オーストラリア、イギリス、フランス、ベルギー、ニュージーランドでは、オステオパシーの施術をするにあたっての法的な資格(医師とは限らない)が整備されています。

日本におけるオステオパシーの現状

オステオパシーが日本に入ってきたのは、明治の終わり(1910年前後)と言われています。(1920年に発行された「山田式整体術講義録」という書籍で、オステオパシーの名前が初めて書籍の中で紹介されました。)

日本でのオステオパシーは、カイロプラクティックと同様に整体の一つとして捉えられる事が多く、オステオパシーに関する民間資格はあるものの、法的な国家資格は存在していません。そのため保険内での施術は行えず、多くの方に知って頂きにくい要因の一つになっていると考えられます。        

西洋医学的な知識(解剖学、生理学、病理学)に加えて、よりホリスティック(全体性)に人間を捉える手技、オステオパシーが日本でも広まっていく事を切に願っています。

オステオパシーには多くの技術(テクニック)がある

A.T.スティルは、オステオパシーを単なる徒手技術としてではなく、一つの哲学(考え方)として捉えていたため、自らが行っていた矯正技術を生徒に伝えることをしませんでした。(実際に、A.T.スティルが行っていたとされている技術は文献としてほとんど残っていません。)オステオパシーにおける4つの原則にのっとり、解剖学・生理学を熟知し、人の体を適切に診ることができれば、行う技術は勝手に決まってくると考えていました。そのため、オステオパシーには数多くの技術が生まれ、今もなお研究され続けています。

オステオパシー技術の一例

頭蓋領域のオステオパシー、カウンター・ストレイン、筋肉エネルギーテクニック、筋膜リリース、メカニカル・リンク、靭帯性関節性ストレイン、内臓マニピュレーション(内臓調整)、スティル・テクニック、直接法(ダイレクト・テクニック)、間接法(インダイレクト・テクニック)、ファンクショナルテクニック、HVLA(高速低振幅テクニック)、頭蓋仙骨療法(CST)など

日本のオステオパシー団体

日本でも多くのオステオパシー団体があり、セミナーや提携の学校でオステオパシーの哲学や技術を学ぶ事ができます。(多くの場合、医療系の資格を持っている事がセミナーを受ける条件となります。) 

日本のオステパシー団体の一例


※私の知っている範囲での一例になります。特に関東圏外にはオステオパシー団体が他にも幾つもあるかと思いますのでご興味のある方は検索してみて下さい。

施術者によるオステオパシーの違い

オステオパシーの徒手技術(テクニック)には、強い力をかけていく技術から、受ける側からは触れらているくらいに感じる圧力で行う方法まで幅があります(私はどちらかと言えば後者です)。もちろん、施術を受ける方の体の状態に合わせてテクニックを選択するわけですが、施術者によってオステオパシーを受けた感覚が大きく異なっているのも事実だと思います。(学んできた背景が違う二人のオステオパシーの施術者に施術を受けた場合、全く違う治療法に感じるかもしれません)

一言で「オステオパシー」と言っても、施術の方法論や選択するテクニックにはそれぞれの施術者で違いがあるので、オステオパシー院を選ぶ際には、学んできた環境や背景(学んでいるオステオパシー団体)をHPなどで調べる事が一つの選択基準になるのではないかとかと思います。

カイロプラクティックとオステオパシー

カイロプラクティック、オステオパシー、それに加えてスポンディロセラピー(現在、スポンディロセラピーそのものは衰退)の3つは、アメリカ三大手技療法と言われています。
カイロプラクティックとオステオパシーは、カイロプラクティックが「背骨のゆがみ」を中心にして身体を診ていく事に対して、オステオパシーは「身体全体を一つのユニット」として施術していく点で比較対称される事が多いですが、オステオパシーの中にも背骨で一番問題となっている一か所に対して矯正(アジャスト)をかける方法論はありますし、カイロプラクティックの勉強会でも背骨だけでなく、頭蓋や四肢に対する技術を教える事を目にするようになりました。両者の垣根が薄くなってきている印象を受けています。

2つとも19世紀後半から20世紀前半に、偶然にも同じ国アメリカで始まった手技療法です。お互いの素晴らしい部分を吸収しながら、自然療法の一つの側面として発展していく事を願います。(個人的には、オステオパシーがカイロプラクティックのように多くの方に認知して頂けるように活動していきたいと思っています)

この記事を書いた施術者

 

関屋オステオパシー 代表 
関屋 淳 (sekiya jun)
【施術実績 (累計)】
理学療法士としてリハビリを1万人以上
オステオパシーの施術を2000人以上
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施術者紹介

関屋淳

2011年より、理学療法士として総合病院に5年間勤務。その後、5年間訪問看護ステーションに勤務し、延べ10000回以上のリハビリを実施しています。その間、オステオパシーの施術を2000回以上実施しています。

『自分と患者さん両方の体と心を豊かに。そして、その豊かさが周囲の人たちに拡がっていくように』そのような施術を目指しています。

⇒ 詳しいプロフィールはこちら

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