健康観

子供の『体育座り』に想うこと【脳・内臓・呼吸・体幹の観点から体育座りを考える】

お知らせ

はじめに

娘が通う小学校では、体育館などで行う集会の時に体育座りをするように決められているという話を聞きました。
成長期の子供が話を聞く姿勢として体育座りをすることに少し想うことがあり、からだの観点から一考してみました。個人的な意見ではありますが、教育に関わっている方や子育てをされている方の何かの参考になれば幸いです。

なぜ体育座りをするようになったのか?

日本で体育座りをするようになった起源ははっきりとは分かっていないようですが、1965年に文部省から発行された「集団行動指導の手引き」の中で体育座りが取り上げられ、全国の学校へ体育座りが拡がっていったそうです。
床に座る文化として、日本では男性は胡坐(あぐら)、女性は正座といった時代があったように思いますが、少しずつ規律や集団行動の要素が重んじられるようになり、体育座りが定着していった。そのようにも考えられると思います。

ちなみに海外には体育座りという座り方は基本的にはないそうです。自由な姿勢で床に座る時、外国の方はあぐらで座る方が多い印象を受けます。

体育座りは、集中しずらい姿勢

体育座りは背骨が丸まりやすいため、からだの観点から考えた時に集中して人の話を聞きくことに適した姿勢ではないと考えています。また、成長期の子供の体の使い方としても、再考する価値があると思います。「脳」「内臓」「呼吸」「体幹」の観点から体育座りを考えてみました。

※股関節に柔軟性があれば体育座りでも背骨を立てることが出来ます。反対に股関節が硬ければ硬いほど背骨が丸まりやすくなります。

背骨が丸まる姿勢は、脳に影響を与える

背骨の中には脊髄(腰髄、胸髄、頚髄)が収まっていて、その延長に脳があります。体育座りは背骨の正常な位置(S字カーブ)ではなく、腰から背骨が丸まる姿勢であるため、脳や脊髄を栄養している脳脊髄液の循環が弱まります。そのため脳がクリアな状態を保ち続けることに適していません。

内蔵が圧迫され、呼吸が浅くなる

背骨が丸まるとその前に位置する内臓は圧迫されます。圧迫された内臓には多くの血液を回す必要があるため、その分、脳へ行く血液の総量が少なくなることが考えられます。特に食後の体育座りは眠くなるかもしれません。

また体育座りで圧迫されるのは胃や腸など腹部の内臓だけではなく、両肩が内側に入り胸郭(肋骨など)とその中にある肺のスペースが狭まるため、呼吸は浅くなります。(背骨を丸めた体育座りでは深呼吸ができないので試しに行ってみて下さい)

体幹の筋肉が養われない

体育座りは体幹の筋肉を使う配分が少なく、主に両腕の筋肉(大胸筋や上腕二頭筋、手の屈筋など)と背骨の靭帯で体を固定し支えている姿勢と考えられます。教室の授業で使う椅子には背もたれがあるので、考えてみると主に体幹を使って座る姿勢を保つ機会は多くはないです。

最近、協調性運動障害の子供や体幹が弱く姿勢を保てない、フラフラしていてバランスが悪いといった子供の悩みを見聞きすることが多くなりました。成長期の子供の座り方として、体育座りは少しもったいなように感じています。

正座と胡坐(あぐら)のすすめ

では床に座って話をきく時、どのような姿勢が適しているのか。上記に記載した内容を踏まえると、ポイントは『楽に心地よく背骨を立てることができる』姿勢です。

私の勧めは正座と胡坐(あぐら)ですが、長い時間同じ姿勢を保てるものではないので、体が辛くなってきたら姿勢を変えて、背骨を楽に立てられる姿勢を探すことです。(股関節に柔軟性があれば体育座りでも背骨を立てることが出来るので、その場合はそれも一つの適した姿勢だと思います)

また体にはそれぞれの個人差があります。股関節が硬い場合、足首が硬いなど様々です。例えば股関節が硬い方のあぐらでは、腰骨から背骨が丸まり、体の重さは後ろへ。それを補うために腕に必要以上に力が入ってしまったり、顔を上げるために首がきつくなる場合があり、その場合には座布団やタオルケットを畳んだものをお尻の下に入れ込み高くすることで、背骨を楽に立てやすくなります。

足首が硬い場合の正座にも同じことが言えます。座布団を2枚重ねたり高さを少しだけ変えるだけでも背骨の状態や感覚はまた違います。これは自分の体を知ることでもあり、体との会話でもあると思うので、試してみると面白いです。

座り方ひとつを変えるだけでも、、、

個人的な見解ですが、体育座りに関して想うことを体の観点から記事にしてみました。良く言われることですが、姿勢は体の健康だけではなく精神面とも関係があり、他者から観た印象にも影響を与えうる人間にとって大切な要素の一つだと思います。

特に成長期の子供は、脳だけではなく体で学習していることは非常に多いです。座り方一つを変える、再考するだけでも立っている姿勢や寝ている時の姿勢、運動時のパフォーマンスにも影響を与えます。子供の可能性は無限大であり、時に小さなことにも目を配ることで、輝く可能性を秘めている。2児を育てていてそのように感じています。何かの参考になれば嬉しいです。

この記事を書いた施術者

 

関屋オステオパシー 代表 
関屋 淳 (sekiya jun)
【施術実績 (累計)】
理学療法士としてリハビリを1万人以上
オステオパシーの施術を2000人以上
2児の父として子育て奮闘中
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施術者紹介

関屋淳

2011年より、理学療法士として総合病院に5年間勤務。その後、5年間訪問看護ステーションに勤務し、延べ10000回以上のリハビリを実施しています。その間、オステオパシーの施術を2000回以上実施しています。

『自分と患者さん両方の体と心を豊かに。そして、その豊かさが周囲の人たちに拡がっていくように』そのような施術を目指しています。

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