オステオパシー

体の不思議なつながり【胸郭と膝の関係/右手首と左足首と首の関係 / 体の末端の役割】

お知らせ

西洋医学の「筋膜」、東洋医学の「経絡」など、体には様々なつながりがありますが、呼吸器や循環器などの各システムや細胞レベルでの体の詳細の研究が飛躍的に進んだ今でも、体が持つ「つながり」に関しては、まだまだ解明されていない事が多いように思います。

オステオパシーの施術では全身を診ているので「ココとココが関係しているのか!」と思う事が良くあります。最近の施術の中で面白いなと感じた体のつながりに関して熟々と記事にしてみました。興味のある方はぜひ読んでみて下さい。

胸郭と膝、骨盤と肘の関係

私にとって、解剖学的には十分に解釈する事が出来ない体のつながりの一つが「胸郭ー膝」「骨盤ー肘」の関係です。臨床経験上、膝の痛みには胸郭(肋骨など胸部の骨)に対する施術が、肘の痛みや硬さには骨盤への施術が効果的である事が多いです。

直近の施術では、仙腸関節(骨盤の関節)を緩めている最中にも肘や前腕(肘と手首の間)の筋膜がモゴモゴと動いていることを鮮明に感じました。同じように、胸郭に触れて施術している時にも、膝周りの組織が反応しているのを手で感じ取れることが頻繁にあります。体の中でも遠い距離にある胸郭ー膝、骨盤ー肘がどのように関係しているのか、今のところの私の知識では理解が足りていませんが、それ故に興味深い体のつながりです。

右手(腕)と左足と首の関係

左肩や腕、左手首に痛みや動かしずらさがある場合、反対側の右足首の関節に対して施術すると効果的な事があります。(右の肩や手首に症状がある場合は、反対側の左足首への施術が効果的)

なぜ、右手首(腕)ー左足首のように反対側なのかは、筋膜や経絡がからだを斜めに走行しているからと解釈する事も出来ますが、以前『手の痛みを足から治す』という手技を教えている先生の勉強会に参加した時、その先生は「この方法はからだの中の風通しを良くしている。部屋の喚起をする時は対角線の窓を2つ空けると一番効率良く風が循環する。それと同じ」と説明されていました。からだの中には左右交差して影響し合う部位が所々にありますが、体の中にある気やエネルギーの流れが関わっている可能性があります。

また手や足の関節に手技を施すと、首周りの筋肉の柔軟性が大幅に変化する事があります。体の部位の中で「首」という名称がつくのは「首」と「手首」と「足首」だけなので、この3つの部位には何かしらの関係があるのかもしれませんが、、、これも体の不思議だと思います。

体の末端の組織は、体にかかった負担や圧を抜いている【爪、歯、髪の毛】

手や足の「爪」は、体全身を覆う浅筋の末端で、「歯」は歯茎の中で歯根という膜組織に連続しているため、爪や歯も全身の膜組織を扱うオステオパシーの施術対象の一つです。体全体はつながっているため、末端にある一つ一つの爪や歯、髪の毛の状態も全身に影響します。反対に歪みや硬さなど全身からの影響を表す所でもあるので、体の末端は変化が大きい部位でもあります(例えば、巻爪、爪の肥厚、噛み合わせ、歯並び、髪の癖)

私見ですが、これら体の末端になる組織は「生活の中で体にかかった負担を抜いている(筋膜にかかった圧力を外に逃がしている)」そのような役割があると考えています。歯の生え変わりは一度きりですが、髪の毛や爪が定期的に生え変わる事には意味があると思います。また「爪を噛む」「髪をかく(いじる)」「歯ぎしり」など人の癖が現れやすいのも末端の組織の特徴で、癖を体(筋膜)にかかっている負担を無意識に軽減している行為と考えると、体の作りと反応はとても興味深いと思います。

※法律上、口内に手を入れることは禁じられているため、当院では歯に直接触れるような施術は現在行っていません。

この記事を書いた施術者

 

関屋オステオパシー 代表 
関屋 淳 (sekiya jun)
【施術実績 (累計)】
理学療法士としてリハビリを1万人以上
オステオパシーの施術を2000人以上
2児の父として子育て奮闘中
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施術者紹介

関屋淳

2011年より、理学療法士として総合病院に5年間勤務。その後、5年間訪問看護ステーションに勤務し、延べ10000回以上のリハビリを実施しています。その間、オステオパシーの施術を2000回以上実施しています。

『自分と患者さん両方の体と心を豊かに。そして、その豊かさが周囲の人たちに拡がっていくように』そのような施術を目指しています。

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