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役所広司さん主演の「すばらしき世界」を観ました。簡単なあらすじとしては、刑期を終えて出所した元ヤクザの男性(役所広司さん演じる三上)が、周囲の人の協力を得ながら一般社会の中で生きようと奮闘する姿が描かれています。
間違っていることは許せない、困った人を放っておくことは出来ない。実直で純粋過ぎるがゆえに、生きずらさを抱える三上の姿は美しくさえ見え、自分の生き方を考えさせられました。映画の所感として記事にしたいと思います。
※映画の内容にも触れているため、これから観る予定の方はその点ご注意下さい。
「すばらしき世界」の所感

作中序盤での1シーン。やっとのことで仕事が決まった三上を労うために、周囲で支えていた人が就職祝いを開く場面で、何かあるとすぐにカッとなり手がでてしまう三上のためにアドバイスをします。
「人間がまっすぐ過ぎるのよ。おかしいと思ったらもうズドーンと突っ込んじゃう」「私達ってね、もっといい加減に生きているのよ」「ムカッてきても受け流すんだよ。耳を塞ぐ。聞こえない」「本当に必要とするもの以外切り捨てていかないと、自分を守れないから。全てに関われるほど人間は強くないんだ」「逃げるのは敗北じゃないぞ。勇気ある撤退なんて言葉があるだろ。逃げてこそ、また次に挑めるんだ」
そのアドバイスを胸に仕事に励む三上ですが、障害のある同僚が数人のスタッフから虐められているところを目撃します。それまでの三上なら虐めている相手を暴力によってこらしめている場面ですが、自分をいつも支えてくれる人たちの顔が脳裏をよぎり、見て見ぬふりをします。虐められていた同僚のことをスタッフ皆で馬鹿にするように会話している時には、その場の空気に合わせて迎合するように笑顔を作ります。胸を痛めながら。
そして、その晩(おそらく持病による心臓発作のために)三上は亡くなり、映画のエンディングを迎えます。

「自分らしく生きるのか」「自分を殺して生きるのか」
0か100ではないことで、多くの人が両者のバランスを取り、時に悩みながら生きていると思います。誰かと上手くやっていくため、自分の居場所を作るために、自分の意見や気持ちを抑え、他人に合わせることは世の中で生きていくためには必要なことですが、その配分が多過ぎるのなら自分らしく生きているとは言えないのかもしれません。
人生は誰のためのものなのか?映画のタイトルになっている「すばらしき世界」とはどのような世界なのか?考えさせられました。少なくとも三上が最後に生きた自分を捨てた生き方は、素晴らしき世界ではなかったと私は思います。暴力で物事を解決することは間違っていたけれど、他人に優しく自分の気持ちに真っすぐで、まるで子供のような純粋さを持っていた三上の姿から、大人になって社会に生きる私達が学ぶことは多いように思います。
「自分らしくしか生きられない」どこかで聞いたことのある言葉を思い出しました。三上が学ぶべきだったことは、他人に合わせて生きる術ではなく、時間がかかったとしても一般社会の中で自分らしくいられる環境や方法を見つけていくことだったと思います。そしてそれは、三上だけではなく、全ての人に言えることなんじゃないかと思いました。
この記事を書いた施術者
関屋オステオパシー 代表
関屋 淳 (sekiya jun)
【施術実績 (累計)】
理学療法士としてリハビリを1万人以上
オステオパシーの施術を2000人以上
2児の父として子育て奮闘中
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