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目次
はじめに
脊柱管狭窄症の診断を受けている腰痛の方を2名続けての施術しました。オステオパシーでは全身を診ていくため、症状の現れている所から位置的に離れた体の部位に痛みや不調の原因を見つけることがあります。
今回の2名の方も、腰痛が改善したポイントは腰椎や腰の筋肉ではなく、お一人の方は仙腸関節(骨盤の関節)、もう一人の方は足にある小さな関節が硬くなり、腰痛を起こす大きな要因となっていたと考えられました。
人の足は一つの骨の塊ではなく、片足で28個ある小さな骨が集合して構成されています。股関節や膝関節などの大きな関節と比べて、一般的には重要視されてはいない印象がありますが、足にある一つ一つの小さな骨と骨の間にも関節があり、そこが固まっていたり位置にズレが生じていると、体の(遠く離れた)他の部位にも影響を与える。今回の施術を通して、小さな関節も丁寧に診ていくことの重要性を感じたので施術例として報告させて頂きたいと思います。
【症例紹介】90代 女性 脊柱管狭窄症
症状
・右足の裏がビリビリと痛む
・腰の痛み、重だるさ
・右膝裏の痛み(歩行時や膝を曲げた時)
・手のしびれ、痛み(ばね指)
・肩がこりかたまっている(今まで効いていたストレッチをしても改善しなくなった)
今までの病歴
10年前に脊柱管狭窄症の診断を受け、腰と臀部が痛む。既往として頚髄症もあり。
【手術歴】右人工股関節置換術、頚椎椎弓形成術後、腰椎除圧術後
施術の経過
症状の中でも主な訴えは、腰の重だるさと右膝裏の痛み。最初に診た体の印象として、両脚の筋膜が全体的に固まってしまっている。特に右膝裏、右ふくらはぎ、右足の裏の筋膜が硬く、筋膜と筋膜の滑り合いが乏しい状況でした。
一回目、二回目の施術は左右両脚への筋膜リリースを中心に行い、右膝裏の痛みが軽くなってきたとのこと。
三回目の施術時には、右下肢の筋膜の柔軟性が改善していた分、体の状態を感じ取りやすくなっていました。そこで筋膜を読んでいくと、右足の踵立方関節とリスフラン関節の硬さにひかれたので、そこの2か所の関節をリリース。「なんだかお腹にまで動きを感じる」との言葉が聞かれ、二か所の関節の硬さが開放されると共に、右脚の筋膜に残っていた硬さが一気に抜けていくことが分かりました。
四回目の施術前には、腰の重だるさと右膝裏の痛み、右足裏のビリビリ感がほとんどなくなっていると報告を頂き、現在は手のしびれとバネ指の改善を目的に施術を続けています。
※施術の効果には個人差があります。
おわりに 今回の施術を通しての考察
今回の施術の考察ですが「オステオパシーの施術で脊柱管狭窄症が治った」ということではないと考えています。
足の小さな関節への施術して腰椎や脊柱管にも影響を与えうることは考えられますが、今回施術した方は10年前から脊柱管狭窄症と診断を受けています。数回の施術で、10年の間狭窄していた脊柱管が広がったということは少し考えにくい。今回のお二人の症例の方は、脊柱管が狭窄していたから腰痛が起きていたわけではなく、体の他の部位の問題によって症状が引き起こされ、オステオパシーによってその問題が解決したから腰痛が改善した。そのように考えることができると思います。
オステオパシーの身体の診方は、一般的な医療機関での診断と大きな違いがあります。レントゲンやMRIなどの画像診断で西洋医学的に難治性の診断名がついていても、オステオパシーの施術で改善することがあり、実際に手て触れ、身体を診ていくことは大きな可能性を秘めています。
この記事を書いた施術者
関屋オステオパシー 代表
関屋 淳 (sekiya jun)
【施術実績 (累計)】
理学療法士としてリハビリを1万人以上
オステオパシーの施術を2000人以上
2児の父として子育て奮闘中
案内動画はこちら
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