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目次
変形性膝関節症 80代 女性
症状とお悩み
10年ほど前から右膝の痛みがあり、変形性膝関節症と診断を受けている。ここ3年ほど特に痛みが強く、正座ができないことが悩み。歩いた後痛くなるため、遠出が出来ない。
膝が痛い時は肋骨にまで響く感じがする。両脚がむくむ。
既往歴(今までの病歴)
膝以外に今まで大きな疾患はなく、病名としてついているのは高血圧と高脂血症のみ。
アレルギー(卵)がある。昔から腎臓が弱い(今までに受けた東洋医学や整体の先生から言われた)
整形外科にて頻繁に膝関節内の水を抜いているが改善が見られない。
施術の経過
初診時に体を診た時の印象として、全身の組織が硬く、右膝の周りだけではなく、本来あるべき筋膜の滑り合いが全身的に乏しい。筋膜と筋膜が滑り合わななければその間を通るリンパ管は圧迫され、静脈は心臓に戻れないので、この方のむくみの要因の一つと考えられました。
また、痛みのある部位が膝関節ではなく腓骨頭(ひこつとう)であり、変形性膝関節症の方の中では珍しく、特徴的に感じました。
※膝関節から足首の間は、脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)と呼ばれる2本の骨で支えられています。膝関節に近いところで脛骨と関節をなす腓骨の部位を腓骨頭(ひこつとう)と言い、外側から触れると少し出っ張っています。
脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)の関節は硬く、強い制限がありましたが、この方の場合には痛みのある部位にフォーカスして診ていくというよりも、全体的な筋膜の柔軟性に対処していくことが大切と思われたので、3回目までの施術は骨盤~両足底の筋膜に対して筋膜リリースを中心に実施。特に膝の裏と足の裏の筋膜は硬く、滑り合いがほぼない状態でした。
4回目の施術時には「正座が出来るようになった」「痛みがひいて歩ける距離が長くなってきた」との声が聞かれ、同時にむくみが少なくなっています。
【解説】正座が出来ない方に多い「腎臓」の問題
臨床経験上、今まで診てきた正座が出来ない方は共通して腎臓に問題があります。(西洋医学的に診てではなく、オステオパシーの触診で腎臓が良く動いていなかったり、腎臓周りの筋膜に硬さがあるという意味での問題です。)
からだの水分量を調節している腎臓が上手く働かなければ、むくみが生じ、水圧がかかったホースが曲げずらくなるのと同じように関節を深く曲げることが難しくなります。また腎臓の周りには多くの神経が通っていて、腎臓周りの筋膜の癒着(くっついてしまっている状態)によって神経が圧迫された場合、膝の痛みとして体が感知してしまうことも関係します。
今回の症例の方には直接的に腎臓に手技を施したわけではありませんが、毎回の施術時に腎臓の状態を触診して、動きが良くなっていっていることを確認していました。(骨盤~両足底の筋膜の状態が改善したことで、滞っていたリンパや静脈が流れ、腎臓が働きだしたと考えれられます)
「なぜ膝の周りに腫れやむくみが生じ、時間がたってもそれが引かないのか?」という視点で診ていくと、その答えが膝関節自体だけにあることは少ないので、改めてからだの全体性を診てオステオパシーを施す意義を感じました。
この記事を書いた施術者
関屋オステオパシー 代表
関屋 淳 (sekiya jun)
【施術実績 (累計)】
理学療法士としてリハビリを1万人以上
オステオパシーの施術を2000人以上
2児の父として子育て奮闘中
案内動画はこちら
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