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目次
はじめに
股関節痛の改善例です。元々、当院の施術を受けられていた80代の女性で、以前は腰痛と夜間頻尿で悩まれていましたが、症状が改善し再発する事なく落ち着いていたので、しばらく様子をみて頂いていました。約1年ぶりに「股関節の痛みが1ヶ月続いているので診てほしい」との連絡がありましたので、訪問での施術を行いました。
オステオパシー施術における股関節痛が改善したポイントと施術例をご紹介させて頂きたいと思います。
オステオパシーにおける股関節痛改善のためのポイント
ポイント① 頭部の硬膜系の緊張
仰向けで頭部と脚を触診し、筋膜の緊張を読み取っていくと、頭部と骨盤の硬膜(こうまく)に緊張が感じられました。
硬膜(こうまく)とは、神経や脳を包み込んでいる膜組織の一つです。経験上、この硬膜に緊張があると痛みの閾値が下がり(感じやすくなり)、痛みを生じ易くなる方が多いように感じています。慢性的な疼痛や体の広範囲に痛みがある方の場合、まず間違いなく硬膜系の緊張があります。
オステオパシーでは、頭蓋骨〜背骨〜骨盤にかけて硬膜系の緊張を手技によりとき、痛みの緩和を図っていきます。
ポイント② 股関節の位置異常
上の図のように、大腿骨を骨盤に押し付けるような内圧が強くかかっていました。これは、以前の主訴であった腰痛と夜間頻尿を引き起こしていた原因の一つですが、1年間空いていた施術期間の間に、少しずつ状態が戻ってしまったようです。(この点は後述します)
施術としては足関節と骨盤内の筋膜(内臓周囲も含めて)を調整する事で、股関節にかかっていた内圧を抜くことをしていきました。
ポイント③ 炎症の抑制
股関節痛の部位としては、左大殿筋の上部に痛みが集中し、またその辺りが炎症している事を感じ取りました。後頭部の筋膜にある炎症を抑制するポイントを用いて、筋膜リリースを行い炎症を沈静化。これにより、歩いた時の股関節の痛みとカクカク音がする症状が消失し、1か月後の施術まで疼痛が再発することなく経過しています。
ポイント④ 胸部の硬さ
今回、股関節痛のほかに「息苦しさ」をおっしゃっていました。この点に関しては内科受診を一度勧めましたが、触診による胸郭(胸部の骨組み)の硬さは明らかにあり、呼吸時の肋骨の動きは乏しく、十分に呼吸を行えていない事がが分かりました。「呼吸」は血液・リンパ・脳脊髄液を循環させるポンプとしても機能しています。本クライアントの場合、施術のポイントに挙げた①頭部の硬膜系の緊張②股関節の位置異常に呼吸の働きの低下が大きく関与すると考えられました。
胸郭の関節と筋膜に対して施術を行いましたが、制限が強く一度の施術では不十分で、今後の施術により胸部の硬さをといていく事で全身的に柔軟性が高まり、症状が戻りにくい体の状態を保つ事が期待できます。また、施術に加えて胸郭を柔軟にするエクササイズをご自身で行って頂くようにお伝えしています。
お伝えした胸郭のエクササイズはこちらです。
今回のケースは股関節痛の方の一例ですが、オステオパシーの施術を検討されている方はぜひ参考になさって頂けたらと思います。
この記事を書いた施術者
関屋オステオパシー 代表
関屋 淳 (sekiya jun)
【施術実績 (累計)】
理学療法士としてリハビリを1万人以上
オステオパシーの施術を2000人以上
2児の父として子育て奮闘中
案内動画はこちら
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