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目次
はじめに
体を流れる体液の一つにリンパがあります。リンパ管は、他の器官に比べて柔らかく繊細な構造をしているために、圧迫を受けやすく循環が滞りやすい一面を持っています。そのため、手や脚、顔がむくんだ経験がある方は少なくないと思います。(「むくみ」のことを医学用語では「浮腫-ふしゅ」と呼びます。)
リンパ循環の滞りは様々な要因で起こり、また「むくみ」が長い間続いていると周りの器官に不利益を与えることがあり、浮腫はなるべく早いうちに改善、軽減させるべき状態の一つです。今回の記事は「むくみ」の要因とその対処方法について考えてみたいと思います。
むくみ(浮腫)とは
人間の体をミクロに見ると、約60兆個もの膨大な数の細胞が集まってできています(新しい説では37兆個とも言われています)。細胞の中や細胞と細胞のすき間は水分で満たされていて、その水分を介して様々な情報のやり取りがなされています。
「むくみ」とは、何かしらの要因で血液やリンパから体液が余分に浸み出し、細胞と細胞の隙間に不必要な水分が貯まっている状態の事を指しています。不必要な水分の貯留は、循環を停滞(渋滞)させて細胞に適正な栄養が与えられなくなります。
※細胞と細胞の間にある液体は「間質液」もしくは「細胞外液」と言われます。
なぜ「むくみ」が起こるのか?
解剖学・生理学的に考えると、浮腫には数多くの要因があります。
内臓の病気
浮腫の原因としては、まず内蔵の病気が隠れている可能性を第一に考える必要があり、浮腫の程度が強い場合や長い期間続く場合は、医療機関に受診する事を勧めます。
- 心臓の病気(心不全など)に伴う「心性の浮腫」
膝から下に浮腫が起こりやすい - 腎臓の病気(腎不全・腎炎)に伴う「腎性の浮腫」
- 肝臓の病気(肝硬変など)に伴う「肝性の浮腫」
腹水を伴うことが多い
また内科的には他にも
- 肝臓の働き(解毒)を超えた量の薬やサプリメントを服用したために起こる「薬剤性浮腫」
- 栄養低下に伴って、血液中のたんぱく質の量が低下したために起こる「栄養失調性浮腫」
- がん治療や外科的な処置でリンパ節の切除・損傷による起こる「リンパ浮腫」
- 甲状腺機能低下(橋本病など)に伴う「内分泌性の浮腫」
など、浮腫が起こる様々な要因があります。
運動が不足している
リンパには、動脈を全身に循環させる役割をする心臓のような臓器はありません。その代わりに、運動に伴って起こる筋肉の収縮と弛緩が、脚に流れたリンパや静脈が重力に逆らって上行する事を助けています(これを筋ポンプ作用と呼びます)。その働きから「ふくらはぎは第二の心臓」と言われ、運動量や運動の機会が減るとむくみが起こりやすくなります。
呼吸が浅い
リンパや静脈の流れを助けているもう一つの作用が「呼吸」です。
主な呼吸筋である横隔膜(上の絵のドーム状の筋肉)は、息を吸うときに下に下がり、息を吐くときに上がります。呼吸によって横隔膜が上下に動き、胸部と腹部の圧力のバランスが変わることを利用して(気圧が高い所から低い所に流れるのと同じように)、静脈やリンパの戻りを促しています。人が一日に行う呼吸数は2万回〜3万回にも及ぶため、呼吸の深さがリンパの循環に与える影響はとても大きいと考えられます。
就寝中には筋肉の活動は著しく少ないため、特に朝方に浮腫や冷えを感じる場合は、呼吸が浅いためにその浮腫が起きている事が多いです。
呼吸の大切さと横隔膜の動きを大きくする呼吸法に関して、こちらで記事にしています。
姿勢によるリンパ管の圧迫
リンパが集合している場所を「リンパ節」と呼び、リンパ節は主に関節の近くに存在しています。正座や椅子に座る姿勢のように股関節や膝が曲がっている姿勢を長い時間とっていると、鼠径リンパ節(脚の付け根)や膝窩リンパ節(膝の裏)が圧迫を受け、リンパの流れが滞ります。同じように、立位で姿勢を保てず、膝や股関節が曲がってしまっている場合も脚の浮腫が起こりやすくなります。
高齢者の方に関わっていると、運動量が減り、座っている時間が長くなるにつれて脚のむくみが強くなっている方を目にする事が度々あり、そのような方には日中でもベッドに横になり、脚の付け根と膝の裏を伸ばす時間を作る事を勧めています。
炎症(防御反応)としての浮腫
例えば怪我をした際に、衝撃を受けた体の部位に痛みや腫れが起きた経験はどなたでもあると思います。この時の体の防御反応を総じて「炎症」と言います。
体のどこかの部位に炎症が生じると浮腫を伴う場合があり、これは炎症性物質と言われているプロスタグランジンやブラジキニンの作用によるとされています。
蜂窩織炎などの感染症や傷口から細菌が侵入した際、外科手術の後などに炎症反応としての浮腫が起こります。
女性のむくみ
男性と比較して筋肉量が少ない女性は、リンパや静脈の流れを助ける「筋ポンプ作用」の働きが少なく、周期的に変化するホルモンバランスに伴って、むくみが起こりやすいと考えられています。
また構造上、女性の骨盤の中には膀胱や結腸(大腸の一部)に加えて、ある程度の大きさのある「子宮」が収納されているため、男性と比較して血管やリンパ管が圧迫されやすく、循環不良が起こやすい印象があります。そのため骨盤の中での各内臓の滑り合い(膀胱ー子宮の間、子宮ー直腸の間)や柔軟性が特に重要な部位であると考えています。
「むくみ」が体に与える様々な不利益 ~浮腫が浮腫を生む~
浮腫が起きている体の部位には、動脈からの適切な栄養供給が途絶えてしまうために、その部位は次第に硬くなり、最終的には壊死(細胞レベルでの死)に至ると言われています。「むくみ」が体に与える影響は数多く、長い期間むくみが続く事で様々なレベルでの不利益が考えられます。
- 組織が硬くなる
脈管系は、体の他の器官と同じように弾力性や柔軟性を備えていますが、硬さを帯びてしまった血管(毛細血管)やリンパ管は本来持ち合わせている液体を循環させる働きを十分には発揮できません(固くなったホースからは、勢い良く水が出ないのと同じように)。「浮腫が硬さを作り、硬さがさらに浮腫を生む」ため、浮腫は慢性的になりやすい症状の一つです。
- 関節の制限
水分量が多くなった体の部位は内圧が高くなるため、関節の動きが硬くなり、それに伴い痛みを誘発する事があります。
- 血流の障害
むくみにより起こる血流量の低下は、損傷した組織に栄養が供給されないために治癒を遅らせます。(例えば、傷口が治りにくい)。また温かさのある動脈が流れない部位には浮腫と同時に「冷え」が起こりやすくなります。
- 感覚の低下
神経を栄養しているのも血液循環です。むくみは神経の感度を鈍くさせます。高齢者の方では、足部に強いむくみが起こるとバランスが悪くなり、転倒のリスクが高くなります。
浮腫に対するオステオパシー
以上の理由で、浮腫はなるべく早期に改善、軽減させておきたい状態の一つです。しかし「なぜ、むくみが起こるのか?」でも述べたように、浮腫の原因として内蔵の病気が隠れている可能性があり、浮腫の程度が強い場合や長い期間続く場合には、医療機関を受診する事を薦めます。
オステオパシーには、全身のリンパを活性化させるテクニック(リンパ・ポンプ)やリンパや静脈の循環を助けている横隔膜に対する施術、内臓に対するオステオパシーなどなどリンパ循環に関わる数多くの徒手技術を備えています。
適正な検査や診察を受け、それでも改善が見られない場合やはっきりとした原因が分からない場合には、徒手的な施術が効果を発揮する可能性がありますので、その際にはオステオパシーを選んで頂けたら幸いです。
この記事を書いた施術者
関屋オステオパシー 代表
関屋 淳 (sekiya jun)
【施術実績 (累計)】
理学療法士としてリハビリを1万人以上
オステオパシーの施術を2000人以上
2児の父として子育て奮闘中
案内動画はこちら
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